ブラックだと言われ、今や人気のない職業の一つになっている教員。
そんな中、先日の沖縄県のニュースでこんな記事が出ていました。
これは沖縄の例ですが、これに似た状況は全国各地、至るところで起きているのではないかと思います。
実際に私の街でも、職員が病気休暇や育児休暇等で欠けたり、支援学級入級児童の人数が増えて加配(人員を増やすことができる)の対象となったりしても、それに充てる臨時講師等の人材が見つからないといった状況にあります。
どこも大変だなあと思っていた矢先、同じ沖縄県からこんなニュースが入ってきたのです。
ひとクラスの人数を40人に増やすという話は、少し驚きですよね。人員が不足していることが要因にあるようですが、確かに時代錯誤で、逆行しているように見えます。人が足りないからとはいえ、この考えを出したのは実際そのような時代錯誤な視点があるとは思います。
私の県でも、県独自の施策として、33人学級など従来の40人学級の人数を減らす方策が取られています。今の現状としては現場はとてもありがたいなと感じています。
ただ、私自身はこの沖縄の話を聞いて、別の角度から考えたことがあるのです。
学級の人数を減らすことによって期待されるのは、「一人一人にきめ細やかな指導ができる」とか、「より丁寧に生活指導ができる」「保護者対応の時間を十分に取ることができる」などです。
つまり「人数を減らす代わりに、減った人数分一人一人に時間をかけてください」ってことですから、これって全然教員の負担軽減にはつながらないわけです。
実際、私の県で行っている33人学級制についても、これによって業務の負担が減っているかといえば、全くそうではないなという印象です。もちろん、40人学級だともっと大変でしょうけれど。
そこで、私は逆に、今のこのような現状をきっかけに、考え方を変えるチャンスと捉えてもいいのではないかと考えているのです。
私は思っているのは、
『担任一人に一つの学級を任せることは、もう辞めた方がいいのではないか』
ということです。
一つの学級の人数を増やしてでも、そこに2人の教員を充てたり、飛躍しすぎかもしれませんが、以前私が提唱した学級担任制をなくして、ローテーションで回したりした方がいいのではないかと思うのです。
これには2つの利点があると思います。
一つ目は、保護者に対して、「誰が見ていても、おたくのお子さんはこういう実態ですよ」という説明がつくということです。
ともすれば、保護者はトラブルが発生した時に、担任の先生の指導にも要因があるのではないかと考えがちです。実際そういうこともありますが、複数の目で見ることが、より客観的なものとなり、正確に伝わるということにつながるような気がします。
また、特性がある児童についても、一人の教員の主観ではない形で保護者に伝わりますから、保護者の捉え方も多少変わってくるのではないかと思うのです。
そして二つ目は、教員の力量が、教員同士や保護者の間で等しく評価されるということです。
これは教員にとっては少し厳しいかもしれませんが、スキルアップにもつながるのではないでしょうか。
最近思うのは、若い教員が「この子はこういう特性があるから、仕方ない」と思っている節があるなということです。学級経営が素晴らしい教員がいたとしても、「受け持っている子供が違うから」と思うのは、教員のあるあるです。
ですが、同じ子供に対して、別の教員の指導を知ることで、自分の指導の仕方を改善するきっかけとなり、学習指導、生徒指導の両面で力をつけることができるようになるのではないかと思うのです。また、周囲の教員もアドバイスしやすい環境ができると思います。
一つのニュースをきっかけに浮かんだことをつらつらと書いてみましたが、すぐに実現はできないにしろ、発想的にはありじゃないかなあと思っているんですが…やっぱり飛躍してますかねえ。