先日、私の息子が入院したのですが、付き添いでの入院が必要なため、病院に寝泊まりする生活を送りました。
そのときに「あー、このシステムを学校に導入したらいいんじゃないかなあ」と思ったことを今回は書いてみたいと思います。
何を思ったかというと、「学級担任はいらないのではないかな」ということです。
これについて思ったことを書き連ねていったら、また少し長くなってしまったので、前半と後半の2回に分けてお話しします。
ではここから詳しく説明していきます。
教員の多忙化が言われて久しく、働き方改革の進まない現状の中で、教員たちは忙しい日常を送っています。学級担任は特に、児童の学習内容の管理だけでなく、保護者対応や児童の生徒指導などに追われる日々です。
担任の力量によっては、毎日のように保護者から何本も電話が入ったり、逆に児童のトラブルの報告を保護者にしたりといったことで時間外労働は長時間に渡ります。「あー、○先生今日も大変だなあ、また△さんからの電話かー」などど思うことはしょっちゅうです。
そんな折、私の息子が入院ました。そして、病院の廊下にある椅子に座っていた時に思ったのです。
入院病棟の看護師のシフト制、これを学校に持ってきたらいいんじゃないかと。
息子が入院して思ったのは、こんなにも多くの人が関わるんだな、ということです。総合病院ですから当たり前なのかもしれませんが、医師は5人位、看護師はだいたい12、3人にお世話になったと思います。
それぞれの医師や看護師の方にお世話になりましたが、個性はあるものの、申し送りをしっかり行っているので治療や看護は誰がきても一貫しています。(たまに薬の処方の伝達がうまくいっていないこともありましたが)ですので、24時間同じように見てもらえるのです。
もちろんそれぞれの方に個性がありますから、会話の中身や態度などで好き嫌いは多少ありますが、それも当たり前ですし、息子にとってはいろんな人と接してかえってよかったと思います。
それでふと、学級担任っていらないのではないか、と思ったのです。極端な話、全部の先生が全部の学級をローテーションして廻るシステムができれば、メリットは大きいのでは無いか、と。
学級担任制から教科担任制へ、というのは最近ある動きですし、目新しく無いかもしれません。ですがここで私が言っているのは、学校での全ての活動、朝の会から帰りの会までをローテーションしましょう、という話です。教科担任制を敷いている中学校でも学級担任はいます。そのような意味での学級担任すら無くしたらいいのでは、という考えなのです。
ではなぜ私がそう思うか、これについて述べていきます。
①責任の分散
簡単に言えば学級担任にのしかかる責任を軽減することができます。何人かで見ているのですから、誰か一人の責任になるということがなくなります。これは教員にとっては、かなり気持ちが楽になると思います。
②児童はいろいろな人の指導が受けられ、教員は切磋琢磨する
いろんな先生の授業を受けられる児童は目が肥えます。当然授業が面白い先生は人気になるでしょうし、そうでない先生も出てくるでしょう。合わない担任と我慢して1年間過ごす必要もありません。また、教員にもこれは言えることで、苦手な児童とずっと顔を合わせてストレスを抱えることも無くなります。教員同士も刺激を受けながら、自分を磨いていこうとするのではないでしょうか。
③一人の教員の力量に頼りすぎない土壌ができる
どの学校でもありがちなのが、前の学年で荒れ気味だった学級を、次の年度で受け持つ先生はある程度決まっているということです。これはつまり、一人の教員の力量に任せているということでもあります。そういった「特別な先生」を作らず、特定の人材に頼りすぎない学校を作ることが安定した学校経営につながっていくと思います。
④最近は教員による使用ツールの違いがあまりない
昔は手書きで通信を出す先生もいましたし、成績処理も手書きで行っている人なんかもいましたが、今は皆無です。最近は校務支援のシステムを導入して、誰もが同じシステムを用いて処理しているところも多いでしょう。そのため、人による使用ツールの違いがないので、データの閲覧、共用が容易にできるはずです。
⑤保護者の意識が変化する
1人の学級担任に任せる形ではなくなることで、保護者への対応もいろんな先生が行うことになります。自分の子供の気持ちや話していることを全面的に信じ、時には学級担任の責任を追及するような保護者もいる昨今、たくさんの先生方と関わることは、自分の子供を客観的に見る目を養う上でも良いと考えます。学校に必要以上に要求することも少なくなるでしょう。
⑥管理職の学校経営に対する意識
学校としてどのように子どもたちを見ていくのか、指導していくのか、という経営方針がよりはっきりすると思います。校長は一人一人の教員に対して、指導力を発揮することが必要となりますし、個々の教員の力量に左右されない学校経営が進むと考えられます。例えば、音楽発表会や学習発表会などの行事は、教員の力量がはっきり現れます。このような行事は淘汰されていく方向に進むと考えられます。
その他にも、職員が急に休んだ時とか、個別の支援が必要な児童が多いから2人配置しようとか、柔軟に対応できるメリットが多くあると思うのです。
もちろん、問題点もたくさんあります。
具体的な問題点とその対策については、後半で述べたいと思います。