小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

検査すれば方向性が見えてくるのに②

前回のブログで、発達に障害のある児童に対しての対応をスピードアップするために、発達に障害がある可能性があるかないかに関係無く、全員に検査をすれば良いという話をしました。

 

ただ、この考えにはメリットもたくさんありますが、問題点もありますので、その点について今回は詳しくお話したいと思います。

 

今現在よく用いられている検査は「WISC-Ⅳ」と呼ばれるものです。

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WISC-Ⅳは、全体的な認知能力を表す全検査IQと「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの指標をそれぞれ数値化した結果が見られる検査です。

 

WISC検査を通して、子どもの得意なことと苦手なことを把握し、子どもに合った関わり方やより伸ばすと良いポイントを知ることができます。

 

 

この検査を全員にすれば良いというのが私の考えです。

 

 

まずメリットについて述べていきたいと思います。

 

①全員に検査をすれば、段取りがいらない

前回のブログでもお話ししたように、「発達障害の可能性があるから検査しましょう」と簡単には言えません。保護者が納得して検査をするまで、丁寧な説明が必要になります。全員が検査をするとなれば、そういった段取りを組む必要はありません。

 

②効果の無い指導や支援をする時間が省ける

例えば日常の授業の中で、児童がやる気を失い、授業中全く取り組めなかったとします。その子が単に怠けているのか、それとも何らかの障害があるのか、教員に判断はできません。ですから担任は個別だとやるだろうと思い、休み時間につきっきりで指導します。

 

しかし、実はその支援はあまり効果が無く、別な方法を用いた方が良い場合があるかもしれません。児童にとっても単なる苦痛な時間になってしまうのです。そういった効果の無い指導をする時間が省けるかもしれません。

 

③どの子にも特徴があり、いわゆる普通の子に対しても、支援の方向性が見えてくる

発達に問題がある児童だけでなく、どんな子にも特徴があります。得意とする分野や逆に苦手な分野などが見えてくることで、いわゆる普通の子に対しても効果的な支援の方向性が見えてくると思います。

 

 

 

さて、ここから問題点に触れていきます。

 

①検査方法は1対1で無くてはならない

 

②検査するには臨床心理士などの資格が必要

 

③検査には60分から90分の時間がかかる

 

の3点が挙げられます。

 

現実問題として、かなり大きな課題です。この検査を全員に行うには、時間と人材が莫大に必要だと言うことがおわかりでしょう。

 

今現在は、入学前の児童に簡単な知能検査を行なっていますが、これは何人かの児童のグループを作り検査します。しかも教員が行いますので学校側で対応が可能です。

 

ですが現状WISCはそうはいきません。

 

現実的には難しいかもしれませんが、例えば小さな自治体なら、少し時間をかければできたりはしないでしょうか。

 

どこか試験的に導入して、そこからこの考えが広まらないかなあと考えたりしています。

 

 

解決すべき問題は多くありますが、実際問題として、児童に発達障害の傾向がありながらも、おそらくグレーだろうという考えや、保護者に話を通す段取りを組んだとしても前に進まないであろうという担任の考えのもと、通常の学級にそのままいる児童がたくさんいるという現実があると言うことを考えなければなりません。

 

そんな中でも学級を成り立たせている担任もいますし、一見すると学級が落ち着いているように見えるかもしれないのですが、先ほどのような発達に何らかの障害があるような児童にとっては、苦痛でしかないかもしれません。

 

そして、その担任の時は表面化しなくても、担任が変わった時にいずれ表面化してしまうのです。その時はすでに学年も上がっていて、差はさらに大きくなっているかもしれません。

 

 

子供の時間というのはかなり貴重です。

 

1年の重さが大人とは全く違うと思います。

 

ですから貴重な時間を無駄にしないためにも、その子の特徴をできるだけ早く掴む客観的なシステムの構築が必須だと思うのです。

 

かなり乱暴な意見だったかもしれませんが、今の学校現場の状況を考えると、このぐらいの劇薬が必要だと思っているのは私だけなのでしょうか。