「思わず○○してしまいました」
子供からよく聞く言葉です。
トラブルがあった時にこの言葉をよく子どもたちは使います。
「思わず」ということは、そこにあまり思考がなかったことを端的に表しています。
発達の段階にもよりますが、中学年から高学年に上がるに従って、こういった言葉を減らしていくことが必要になると私は考えています。
今回はそんな話をしていきます。
「思わず○○してしまいました」というのは、子供にとって非常に都合の良い言葉です。
なぜなら、そこに理由が必要ないからですね。
面倒な説明をする必要もなく、反射的にやったこととして片付けてしまいたい、そんな気持ちで子供は話します。
ですが、これから社会に出るために大きくなっていく子どもたちにとって、いつまでもこれでいいはずがありません。
私の場合、こういう言い方をしてくる子にはとことん付き合うつもりで、
「『思わず』って何?ちょっと深く考えてみよう」
と言います。
どうして思わずやったのか、自分の気持ちを想像してみて、その背景には何があるのか、深掘りしていきます。
子供にとっては「面倒だな」と思うくらいに。
今の子どもたちは、発達の問題を抱えている子もそうでない子も同じ空間で過ごすことが増えています。
そういった環境の中で、「あいつはいいのに俺はダメなのか」という気持ちになる子もいますし、どちらかというと楽な方に行きたいという気持ちになる子も多いです。
だからこそ、自分の基準をしっかりと持って、正しいことを言える子、正しい行動ができる子になってほしいのです。
私の手法が実際に効果があるのかは自信がありませんが、
「正しいか正しくないかを人に流されず自分で判断する」
ことの大切さを説く意味で、考えさせていますね。
何事に対しても、反射的にではなく、一回自分で頭の中で考えて欲しいのです。
その際のポイントとしては、
・その後どんなことが予想されるか。
・自分の気持ちはどんな気持ちになるか。
・周りの人はどんな気持ちになるか。
・果たしてそれはいいことなのか、そうでないのか。
こういったところでしょう。
子どもたちも冷静になると、きちんと考えることができるんですよね。
さて、振り返るとしっかり判断できるとはいえ、じゃあ次からすぐできるかというと、そうはいきません。
一朝一夕にはいかないものです。
子どもたちの中にはどうしても反射的に手が出る子もいますし、家庭の影響で言葉の使い方が良くない子もいます。
だからこそ、学校という場でそういう学びをして欲しいなと思うのです。
私たちも「思わず」してしまうことがあるように、子供は正直なので自分の欲にかなり左右されます。
それはそれで可愛い部分ではありますが、大人に向けた橋渡しをしっかりとやっていくために、これからも考えさせていきたいなと思うのです。