学級が騒がしくなるのはなぜでしょう。
「○○先生が担任すると学級が落ち着くよね」
「今年の先生になったら、クラスが騒がしくなった」
担任によって、違いが出てくるのは明らかだと何となく感じているものの、なぜそうなるのか、原因はどこにあるのかは簡単に説明できない部分でもあります。
学級が静かなのは、威圧的な感じの担任の時もありますし、逆に「何でこの先生はこんなにいつも穏やかなのに子どもたちはシュタッと落ち着いているのかな」と思うこともありますからね。
私は男なので、「男の先生」という雰囲気で落ち着かせている部分があるのは否めませんが、それでも騒がしくならないコツのようなものの長年の教員生活で掴んできましたので、それを今回は紹介したいと思います。
『学級が騒がしくならないためのポイント5選』
今回のポイントは5つです。
①静かになるまで待つ
②人の話に重ねて言ってくる子に対しては、間髪入れずに反応する
③落ち着いている時に「この雰囲気いいね」と何度も褒める
④騒いでもいい時、自由に言ってもいい時を知らせる
⑤一番目立つ(一番騒がしい子)に対して積極的に話を振っていく
①静かになるまで待つ
これは常套手段としてよく言われています。
しかし、なかなか待てないものです。
私は待っている時間をよく計測していました。
「今私は3分待ちました。ですからみなさんも3分待ってください。それから話します」
なんてことを言ったりしていました。
次の活動があって待っていられないことも多いです。
そういう時は時間差があっても、
「2時間目終わりの後、本当は静かになるのを待ちたかったんだけど、次の時間があるからできなかった。みんなは先生を待たせている自覚あった?」
などと言う事もありますね。
②人の話に重ねて言ってくる子に対しては、間髪入れずに反応する
先生が話している時、ある子が言ったことなどに対して、反応して騒ぎ出す子がいます。
「わかるわかる!それでさー…」
「俺の場合はさー…」
こういう子には間髪入れず、
「今それ必要?」
と言います。
「あなたのその話は、私の話より重要ですか?みんなに伝えるべきものですか?だったらどうぞ」
その子が意地になって話し始めたら、私は話を本当にやめます。
後から子どもたちが困ることもあるのですが、実感を伴わないとわからないのであればそうするのが一番です。
変に甘やかして話だけで伝えても、本当の変化はなかなか起きづらいのかなとも感じています。
③落ち着いている時に「この雰囲気いいね」と何度も褒める
子どもたちがどんなに騒がしい学級でも、落ち着いた雰囲気でいる時がたまにはあります。
そんな時は
「いい雰囲気だね」
と無条件で褒めていましたね。
これを何回かやっていると、だんだん回数が多くなってくるんですよね。
「先生が自分の話とか、余計な話をしているなと思ったら、それはみんなが素晴らしいということだよ。先生にも余裕ができているということだからね。みんなが立派だから、冗談も言えるし、自分の話もできるんだよ」
なんて話もします。
こうなるとしめたものですね。
④騒いでもいい時、自由に言ってもいい時を知らせる
メリハリをつけることはとても大切です。
「今は騒いでもいいよ」
という時間を作ることで、ガス抜きにもつながります。
これは高学年でよくやる手法ですが、教室は少し息を抜いてもいい空間、教室から外に出たら、学校を引っ張る存在としてみられるから少し緊張感を持って過ごす空間、という言い方もしていました。
その方が子どもたちも自覚して物事を進めることができる気がします。
⑤一番目立つ(一番騒がしい子)に対して積極的に話を振っていく
おしゃべりな子には先手を打って、
「ねえ、○○さん。何か言いたいことある?」
と積極的にこちらから話を振っていくようにします。しつこいぐらいに。
言いたい子というのは、何でもいいからとりあえず声に出したい、という傾向があります。
ですから話を振れば振ったで、何かしら返してくることが多いのです。
ですが、自分が話したい喋りたいが優先して、人の話をあまり聞いていないので、ずれた発言になったり、ただの繰り返しの発言になったりします。
「それさっき言ったけどね」
「今の話と全然関係ない話ですね」
などと結構冷たく言うことを繰り返していると、余計な反応は少なくなってきます。
以上、5つのポイントを紹介しました。
何よりも学級担任(伝える側)が、
「全員にきちんと伝えたい、伝える雰囲気を作っていきたいんだ」
という態度を示すことが大切なのでしょう。
その気持ちがあれば、何とかしようと工夫するはずですからね。