今回は「スクールカースト」について考えてみたいと思います。
スクールカーストとは、学級の児童生徒間や集団間で、自然に発生する固定的な序列を指す概念で、インドの階級的な身分制度であるカーストになぞらえて名付けられたといわれています。
簡単にいうと、クラスの中でどのグループに入っているかで序列が決まる、と言った感じでしょうか。
先日読んだ記事によると、自分たちのグループが学級の中で「普通である」と答えた人数が多いクラスと、上位から下位にばらつきがあるクラスとを比較すると、それがそのまま学校生活の満足感ともリンクしているということなのだそうです。
自分たちが普通だと感じていればいる子が多いほど、学級での満足度が高いということなのだそうです。
やはりこれが学級経営の一番大切な部分なのではないかと感じます。
ある特定の子やグループを優遇したり、学級での活動の中で担任が何も考えないでさまざまな活動のグループ編成をしたりしていると、このような状況に陥りがちだなのと思うのです。
私は自分の学級の子どもたちには、
「理想はあなたたちで全部考えて、席替えも班分けもさせたいと思っている。でも、それをやるとうまくいかないことが多いよね。だから先生が口を出すことがあるんだよ」
と言っています。
もちろん子どもたちだけで決めてもいい場面もありますし、年度末に近づくと、
「そろそろあなたたちで決めてもいいかもね。それぐらい心が育っていると感じるからね」
などと言って決めさせることもありますが。
個々の子どもたちの性格や特性、そのときの事情などはもちろんありますが、やはり学級担任の学級経営一つで、このスクールカーストの違いも出てくるのではないかと思っています。
では学級担任はどのような姿勢で取り組んでいけば良いのでしょうか。
ポイントは2つあると思います。
一つ目は「必要以上の明るさを求めない」ということです。
学級が明るく、楽しい雰囲気であるのはとても良いことです。
ですが、「休み時間は外に出て遊ぶのがいい」と担任が言ったり、元気な挨拶を強制したりするのは考えなければなりません。
静かに本を読むのが好きな子もいるかもしれないのです。
どうしても昼休みに1人でいる子がいると心配になり、「みんなと遊んでおいで」と言ったりしがちですが、その子としっかり話した上で、どんな子かを理解することが一番大切だと思います。
快活さや明るさを一律に求めず、子どもたち一人一人に分け隔てなく接することが求められると思うのです。
二つ目は、「考えていることを吸い上げる」ということです。
簡単に取り組めることとしては日記があります。
私は週に一回ですが、日記の提出をさせていました。
時には自分が最近考えていることや悩みなどを打ち明けてくれる子もいます。児童理解につながっていたんですよね。
話すだけではわからない部分が見えてくるのです。
ただ、書くのが苦手な子もいます。
学級会で自分の意見を言いたくてもなかなか言えない子もいます。
定期的に時間をとって全員に話を聞いたり、タブレットを活用して匿名で意見をもらってみたり、いろいろな方法で「考えていることを吸い上げる」ことが必要だと思います。
2つポイントを紹介しましたが、担任のそのような姿勢が、子どもたちにとっても安心感にもつながっていくと思うんですよね。
子どもたちにとって安心できる空間をつくりあげるというのは、なかなか簡単なことではありません。私自身もできているかどうか…
しかし、その姿勢を忘れてはいけないと思うのです。