みんな仲良くしましょう。
学級担任がよく言うセリフです。
でもこれって本当にできるでしょうか。
しているとしたら、誰かがただ我慢しているだけではないでしょうか。
そんなことを今回は述べたいと思います。
学級には様々な子がいます。
大人しい子、活発な子、おしゃべりな子、意地悪な子、優しい子…みんな違うのは当然です。
狭い教室の中で、長い時間を一緒に過ごすのは、ある意味酷な状況とも言えます。
その中で、よく言う「みんなちがって、みんないい」んだよ、みたいなことを我々教員は言いがちです。
違いがあることを理解し、認めあう。
わかります。
すごくよくわかりますが、認められないほど嫌いな子・苦手な子はいないだろうか、とも思うのです。
私は以前から、
「人だから合う合わないはあって当たり前。苦手な子との距離をうまくとっていくことが大事です。全員と仲良くする必要はないんだよ」
と言ってきました。
理想とするのは、「誰も傷つけない」ということだろうと思います。
そのために大切なのは、「距離感」です。
この「距離感」をうまくコントロールしてあげないと学級はうまくいきません。
そしてそれをコントロールするのはやはり学級担任なのです。
私たちも言われてみればそうだなと感じると思うのですが、自分にとって不都合な人、不快な人、劣等感を感じる人などは、逆に変に気になったりしませんか?
見ようとはしていないけれど、何だか気になってしまう。
そんな経験をしたことがある人も多いはずです。
子供も同じなのです。というか、精神的に成熟していない分、大人よりもずっとその傾向は強いのです。
何なんだよ、あいつ。いつかギャフンと言わせてやりたい。
そんな気持ちでいるのかもしれません。
ですから、合わない子達同士ほど、相手の不手際を見つけようとして距離が近くなっていき、そんな子どもたち同士でのトラブルが頻繁に起こるのです。
子どもたちが自分で距離感を保つのは「最初は」無理です。
学級担任がうまくコントロールすることがとても重要なのです。
気が合う子、合わない子をよく理解し、ぶつかりそうな場合は適切な距離感を教えるのです。
もめごとが起きたら、子どもたちからしっかり事情を聞いて、今後どうしたらトラブルを避けられるのかを一緒に考えていきます。
その中で、相手との関わり方を助言していくのです。
遊ぶグループを変えることや、授業以外ではあまり関わらないことも含めて話しますね。
もちろん一度では変わりません。
これを何度も繰り返すことによって、少しずつ変えていくのです。
また、みんなで遊ぶのが好きな子、一人で過ごすのが好きな子、いろいろな価値観をもった人がいるということも事あるごとに伝えます。
教室に昼休みに一人でいると、担任は親しい友達がいなくて寂しいのではないかと思いがちですが、そうかもしれませんし、そうではないかもしれないのです。
単純に一人でいることが好きなのかもしれないのです。
これは短学活、いわゆる朝の会や帰りの会などで話すことが多いですね。
子どもたちがお互いの特性を理解して、関わり方が分かれば、その後はみんなが自分らしく、傷つけ合うことなく、安心して過ごせるクラスに変わっていくはずです。
みんな仲良しを強制しなくても、良い雰囲気のクラスは作れると思うのです。