学級担任をしていると、必ず何らかのトラブルがあったり、注意や指導を入れたりする場面があります。
このタイミングこそが、学級経営がうまくいくかそうでないかを分けるといっても過言ではありません。
なぜなら学級というのは集団です。指導・注意をしなければいけない子がいたとしても、指導しなくても良い多くの子が周りに存在しているのです。
ですから、タイミングが大切なのです。
どういうことかというと、
①即座に指導すること
②間を空けて指導すること
をうまく考えることです。
基本的には即指導することが大切です。
なぜなら今その場で教師自身が目撃したり聞いたりしたことをもとにして指導ができるからです。
「今の言葉って周りの子はどう思うかな?」
「お友達にそんなことして、その子はどんな気持ちになっていると思う?」
今その場で起こっていることを指導することは、我々教員の中では鉄則とも言えます。
まさに『鉄は熱いうちに打て』です。
では、間を空けて指導するとはどういうことでしょう。
言動の背景についてじっくり話を聞きたい時や、個別に順を追って丁寧に指導したい時などにそうすることが多いです。
また、即座に指導をすることによって今行われていること(例えば授業であるとか、行事であるとか)の進行を妨げる場合には間を空けざるを得ません。
ただ、間を空けることには大きな利点があります。
それは「他の子を邪魔しない」ということです。
大多数の子が頑張っている中で一人の子を流れを止めて指導するというのは得策ではありません。そういう時は後で個別に呼んで、「あの時のあなたが言ったことだけどさ…」というように話すようにしています。
今指導すべきか、後で指導すべきか、その選択が上手な担任は学級経営が上手いと言えると私は思います。
感覚的な面があり、難しいのですが、選択の観点ははっきりしています。
それは
『周りの子達が納得するようなタイミングで指導をすること』
です。
例えば、授業中寝ている子がいたとします。
この子に対して、しつこく起こそうとして、3分くらい口うるさく注意をしたとしましょう。
周りの子はどう思うでしょうか。
貴重な授業の時間なんだから、そんな奴のために時間取るなよ。
寝ていて別に迷惑かけてはないんだからほっといていいのに。
なんてことを思っているかもしれません。
もちろん、注意して欲しいと思っている子もいると思いますが、今のようなケースでは、「即座に指導」しなくても良いケースと言えます。
後でみんなの時間を邪魔しない時に、なぜ寝てしまうのか、ゆっくり話を聞けば良いのです。
逆に、みんなが集中して問題を解いているのに、いらない発言を繰り返している子がいたとしましょう。このような時は「即座に指導」が必要です。
なぜなら、周囲の子もそれを求めている可能性が高いからですね。
担任の先生が、指導して欲しいなと思う場面でしっかりと指導してくれること。これは信頼につながります。
結局は、
子どもたちの求めていることを担任ができるかどうか。
これに尽きるのかなと思います。
子どもたちは見ているのです。