今回はPTAの役割を考えてみたいと思います。
最近、いろいろなところでPTA活動を見直そうという動きが出てきています。
本来任意であるはずなのに、強制的に参加させられているのはおかしいであるとか、共働きが当たり前になっている中で活動自体が成立しなくなってきているとか、理由はいくつかあるのですが、PTAが担ってきたことは果たして本当に必要ないのでしょうか。
PTA活動のメリットとデメリットを簡単にまとめてみたいと思います。
【メリット】
①学校の独自色を出しやすい
②急な対応ができる(資金面・物資面)
③教員と保護者の関係性を築きやすい
④地域との連携をする上でスムーズになる
⑤学校行事を行う際の協力体制を築きやすい
【デメリット】
❶特定の児童生徒の支援にあたる場合がある
❷活動できる人が限られ、人選が固定化する
❸何でも慣例に従ってこれまでの踏襲をすることになっている場合が多い
❹ほぼ強制的に会費の徴収が行われる
学校ならではの行事などにかかるお金などは、自治体の予算から算出することは不可能です。やはりこれはPTAの出番となります。物資の面でも人的な面でも、独自色を出すには、PTAの強流力が必要です。
特に周年行事などではPTAの協力が不可欠です。
協賛金を企業や個人から賛同いただく際には、やはり学校で働いている身として、自分は世間知らずだなあと思うこともあります。
また、単年度の予算では買えないような備品が学校にはたくさんあります。
言わずもがな、自治体は予算の縮小縮小が続いています。
教育にはお金をかけましょうと言っても、現場もそうですが、まず人を増やしてくれという感じですから、自治体も予算はそちらを重視しているでしょう。ですから、PTAに協力してもらって複数年で大きな備品を購入することもあります。
加入している子と加入していない子で差別化することはかなり難しいです。例えば運動会などの学校行事のために買ったテントに、PTAに加入している子は入れて、加入していない子は入れない、なんてことができるでしょうか。できませんよね。
全国各地でPTAの新たな形を模索している記事を目にしますが、完全に廃止して一切の活動を行っていないというところは無いように思います。
多くは少し形は変えつつも結局完全に廃止することはせず、希望する方が任意で活動するというような形になっているようです。
良かれと思ってやっていることが当たり前になってしまい、意味や意図を考えないで前例の踏襲をするからダメなのであって、今のこの学校には何が必要なのか、その時その時で考えて決めていくのは楽しいのではないでしょうか。
ただ問題として考えられるのは、前例の踏襲をしないとなると、その年の役員によっては多くの児童の保護者は必要ないと思っていることにお金を使ってしまったり、利益供与のようなことにつながってしまったりと言ったことが懸念されるわけです。
ですから前例を踏襲するんですよね。その方がみんな安心なんですよ。
しかし、何をやるかわからないPTA活動なら、やりたいと思う人も増えるのではないでしょうか。
スムーズにはいかないかもしれませんが、そういったPTAの在り方もアリ、なのではないかと思うのです。