私の地区では学習発表会が各校で行われています。
昔ながらの学芸会という名前だったり、音楽発表会だったりと、呼び方はいろいろありますが、このような発表会的な学校行事って何のためにあるのでしょうか。
自分も散々書いていることでもあるのですが、行事の精選が必要だと言われている中です。
保護者の満足感を達成させるためのイベント、と捉える考えをしている教員も少なくないかもしれません。
学校現場の人間は、特別な時よりもいつもの様子を見に来てほしいと思っている人もいますからね。
子供の様子が見たかったら、月曜から金曜まで、いつでも見にくればいいと思いますし、何なら毎日リアルタイムで授業風景や教室の様子をLive中継すればいいのになと、私なんかは思っているくらいです。
話が横道に逸れましたが、時間をかけて準備する学校行事です。やるからには意味のあるものにしていかなければなりません。
ではどういう考え方で子どもたちを向かわせていけば良いのでしょうか。
せっかくやる行事ですから、目的や目標をはっきりさせ、そして尚且つ保護者が満足するように取り組ませたいですよね。
そこで、取り組ませ方のポイントとして幾つかあげてみたいと思います。
①学級・学年として育てたいことが含まれている内容にする
しっかりと立つ、大きな声で発表する、静かに待つ、仲間と協力するなど、普段なかなかできないことなどがあればそれを強く意識して取り組ませることで今後につながっていきます。
②子どもたちだけで練習ができるような内容を取り入れる(中学年や高学年)
任せられる要素があると、子供はやる気を出します。揉め事が起きにくい内容や場所を提供し、子どもたちだけで練習できるようにすると、思った以上の成果が出ることがあります。
③親になったつもりで、自分の子を見るポイントが必ず一つはあるようにする
保護者は内容は二の次です。まずは自分の子がどこにいるか見ます。ですから、出ている時間の確保とその子の見どころポイントを作る必要はあります。それがないと保護者の信頼が薄らぐ可能性があります。
④当たり前のことをきちんとできる姿が見える構成にする(低学年)
低学年であれば、綺麗に発表するだけが見せるポイントではありません。物を準備したり、着替えたりといった合間の時間を見せることもいいです。保護者に一人でもこんな風にちゃんとできるようになったよと知らせることができます。
私の勤務校の先生方も、発表内容を本当に工夫し、みんなが活躍できてしっかり保護者も満足できる、感動的な内容に仕上げていました。
何ヶ月も前からプランを練って、台本を作り役割分担をし、指導して作り上げる教員の苦労たるや、その労力はとてつもないものがあったでしょう。
実際、こういった行事があるから頑張れる子もいる、というのもあるかと思います。実際に普段はあまりやる気を見せないような児童が、一生懸命取り組んでいたという話を今年も何度も聞きましたし、親にいい姿を見せたいという思いも強いのかもしれません。
行事で生かされる子、というのも一定数いて、勉強はできないけど声は大きいとか、あまり目立つタイプではないけれどダンスを習っているからセンターで踊りを披露するとか、そういった子が活躍できる場でもあるわけです。
ただ、どんなに内容を工夫しても、多くの保護者は、自分の子が見れれば内容なんてそれほど関係ないんですよね。私自身も親ですから、その気持ちはよくわかります。
だからこそ、子どもたちに教師の思いを落として行くことが大切です。発表に込めた教員自身の思いを丁寧に伝え、子どもたちにその気持ちが伝われば、自然に自分のために発表をすることになっていくからです。
それが自分自身の成長を実感することにつながっていくと思います。
また、親に褒められることはもちろんですが、他の学年の先生や地域の人に認められれば、自己肯定感が高まります。
結果的にそんな気持ちになれるような終わり方ができれは理想ですね。