先日、私の住む県の教員採用試験の倍率が発表されました。
1.2倍。
だそうです。
この倍率は講師を何年もやっている人も含めての数字となりますから、大学を出て新卒で教員を希望するという学生は、このうちどれくらいなのだろうと考えてしまいます。
私が採用試験を受けた頃は4、5倍の倍率はありましたから、教員を目指す若者がどれだけ減っているかわかると思います。
毎年、新採用の教員が私の勤める学校にも入ってきますが、一生懸命な若者が多く、苦労しながらも頑張っていることは私の学校にとっては本当に救いです。
しかし、ちょっと隣の学校などを見てみると、無断欠勤する人や心の問題で休みがちになる人がいたり、担任のクラスが学級崩壊状態になったりと、新採用の教員の様々な問題が聞こえてきます。
実際、学校現場は新採用の教員に対してお試し期間のようなものはなく、4月にいきなり学級担任を任されることになる場合がほとんどです。
ご存じのように、余裕人員なんてものはないですからね。
そして日を追うごとに学級が荒れていき、結局は専科教員(数少ない担任以外の教員)や管理職が入って学級を立て直さなければならなくなる…その皺寄せが他の学級の先生方に…。
まさに悪循環、といった感じですよね。
私もそうでしたが、新採用の頃は、子供と触れ合うとか、子供の良さを感じるとか、そんな余裕は全くなく、逆にトラブルの連発で子供を憎たらしく思うことも多かったです。
実際、今の新採用の教員たちも、同じような状態になっている人も多いと思います。
とはいえ、そんな中ではありますが、「やっててよかったな」と思う瞬間もあるはずです。
今までできなかったことができるようになる瞬間。
初めて体験する出来事。
何かを立派にやり遂げた時。
子どもたちが少しずつ成長していく姿を間近で感じることができるのです。
自分も反省するのですが、ともすれば、子供のできない面やできない子にばかり目がいってしまい、その他の大多数の一生懸命頑張っている子を忘れがちになるのは、どんな教員も経験しているのではないでしょうか。
きつい仕事ですが、教員という仕事だからこそ味わえることがたくさんあるのです。
若い先生方にも、そんな「やっててよかったな」という思いを感じて欲しいと思いつつ、私は「あの子昼休みに校庭のゴミを拾ってたよ」「1年生と仲良く遊んでたよ」などと若い先生方に報告するのです。
できるだけ子どもたちの良さを見つけて、それを伝えなければという思いで、休み時間に校内をまわっています。
さて、夏休みが間近に迫ってきた7月です。
休みに入ると保護者と面談するという学校も多いかと思います。
私は学年を組む先生方に、「今週はその他に注目しよう」なんてことを言っていました。
いつも注意される子、目をかけている子よりも(するべき指導はしますけどね)、普段目につかない子、普通の子、目立たない子に積極的に声をかける1週間にしよう、てな感じです。
そうすると、いざ保護者面談があった時も、その子について、私だけが知っているエピソードをたくさん話せるようになるわけです。
それはその子にとっても保護者にとっても「自分を見てくれているんだな」という信頼感に繋がりますからね。
いろんなところに話がいって、何を言いたいかよくわからなくなってしまったような内容でしたね。
教員志望者が減ることは、教育の根幹が揺らぐことになります。
教員ならではの魅力を伝えつつ、働き方を見直す構造改革が進むためには自分に何ができるのか、引き続き模索していきたいですね。