保護者と教員の関係をどのように築いていくか、今回はこのことについて考えていきたいと思います。
私が教員になりたての頃は、
「先生、うちの子が悪いことしたら思い切り叱ってください」
「好きにやっていいから」
なんて言われたものです。
昔は教員と保護者はもっと関係が深かったですよね。
PTA主催の懇親会なども多かったですし、部活動などもありましたからね。
イベントごとに関係を深めて…といったことができた時代でした。
私自身、もう20年近く前の教え子の保護者と今でも仲良くしている方もいます。教員と保護者、というよりはもはや友達に近い感じですけどね。
加えて、教員という職業への信頼感みたいなものがあったように思います。
まあ、それが時代とともに無くなってきたのには、我々教員側の不祥事や信用失墜行為などが世の中の人たちに知れ渡ってきたこともあるかもしれません。
情報がいくらでも手に入るようになりました。どの業界の人も感じているかもしれませんが、仕事のしづらさみたいなものはあるかもしれません。
ただそれによって正しい方向に進んでいることも多いとは思います。
さて、ここからはあくまで私の印象になるのですが、最近の保護者の傾向として、自分の子供しか見ていない人が増えているなあと感じます。
そんな中で教員と保護者との信頼関係を構築することは、本当に難しくなったなと思います。
そもそも参観日なんかでも、授業だけ見て帰る保護者が本当に多くなりました。
新採用で教員になった担任の学級でも、懇談に残ってくれる保護者なんて数えるほど、なんてこともあります。
コロナ禍でPTAの行事も少なくなり、関係性の希薄さにさらに拍車をかけることになりました。
関係がドライなことは、必要以上に労力をかけなくて済むという点で、また働き方改革を進める上では良いことなのですが、逆に保護者が何も考えずに要求してくるという面もあります。
問題があったときは詳しい説明を求められますから、その材料を用意しておく必要があります。一つ一つのことに細かな気遣いが必要となり、結果的に業務が増えることにつながるのです。
先生も人間だし、家族もあるし、休みたいし、勤務時間もあるのです。
しかし保護者はそんなことは何も考えず、平気で面談を退勤時刻はとっくに過ぎている時刻を指定したりするのです。
それなのに、学校側は気を使って
「全然いいですよ。お母様のご都合に合わせますから」
なんて言うのです。
学校としては、保護者との関係を拗らせたくないですから、必然的にこうなってしまいます。
ではどうすれば良いのでしょうか。
例えば、担任であればやはり、
「先に良いことを伝えるために連絡することを重ねる」
ことでしょう。前回のブログで春に頑張ることとして挙げたことですが、大変ですが春先に頑張れば後々楽になります。
そして、
「教員自身のことについての発信を常にする」
ことも重要だと思います。自分という人を知ってもらうことが相手の配慮を生むからです。
自分には小さな子供がいる。
帰って一杯のビールを飲むのが楽しみだ。
19時に入るテレビ番組が好きだ。
など、なんでも良いのです。
学級通信などで伝えるのが通常ですが、手紙は読まない家庭も多いです。学級の子供に対してしつこいくらい話すのも手です。「先生、またその話~」と言われるくらい、私は話していましたね。
保護者が味方になってくれれば、その後の学級経営は驚くほど楽になっていきます。
だからこそ保護者との関係をしっかり築く必要があるのです。