子供への指導について、指導すればしたで保護者からのクレームが来ることがあります。
「相手も悪いのになぜ自分の子だけが注意されなければいけないのか」
などがその代表例ですね。
「そこまでの指導をする必要があったのか」
なんて言うのもあります。
このようなクレームを防ぐために教員が何をするかと言うと、保護者への電話です。
子供から保護者が話を聞く前に、担任など指導した教員から直接話をすることで、事実が曲がって伝わらず、納得してもらえることが多くなります。
それを怠ると、
「息子が○○君も悪いのに自分だけ怒られたと言っている。どういうことか説明して欲しい」
などという電話が入ったりするのです。
ですから、先に電話するのですが、ではいつ電話するかというと、当然放課後ですよね。
ということで、放課後電話するのですが…
なかなか繋がらないことも多いのです。
「仕事してるから仕方ない」
「17時を過ぎたらもう一度してみよう」
「まだ繋がらないから次は18時にしてみよう… 」
なんてことが結構あるわけです。
時間外勤務を生む原因です。
管理職も保護者連絡はこまめにして欲しいと思っていますから、むしろ歓迎するわけです。
これでは超過勤務は減らせないんですよね。
とまあ、こんな状況になるので、面倒な指導なんかしないで、放っておいた方が放課後が有効に使えるのでは、と思っても仕方ない面もあります。
ただ、するべき時にするべき指導をしなければ、それはそれで後々もっと面倒な事態が起こるのですけれどね。
ですから、どのように指導すれば良いのかという点が大切になります。
けがをしたり、ものを壊してしまったりした場合などはもちろん保護者に直接伝えなければなりませんが、それ以外の連絡を減らすために、私が心がけていた点をいくつか紹介します。
①児童本人が納得しているかを見極め、納得するまで話をする
ちゃんと叱れるか、ということはとても重要です。ただ、感情的に叱るのではなく、児童が納得する叱り方をしなくてはなりません。ですが私の場合、その場を凌ごうとする言い訳は絶対に許さないようにしています。
この先生はここまでやるのか、ここまで本気で叱るんだな、と思わせる意図もあります。
②なぜこの子に指導をしたのか、ということを学級全員に伝える
一人に対して行う指導を、同じような形で何人にもすると、時間がいくらあっても足りません。ですから、担任が持つ価値観をしっかり植え付けることはとても大切だと思います。
そこから、学級としての価値観が生まれ、さらには自分自身の価値観へと波及していって、担任がいなくても正しいことを判断できるようになっていくと思うのです。
③指導されたことについて、「自分でお家の人に話しなさい」と伝える。事実と違う形で保護者に伝わった場合には、次の日にさらに指導する。
自分が良くないことをした時に、親にそれを話すというのはやりたくないことでしょう。児童自身には、次はこういうことはしたくないと思わせる抑止力になります。
また、仮に事実と違う伝え方をしていれば、自分の子供は誤魔化すことがあるということを保護者に理解してもらうことに繋がります。
最初は保護者へ連絡の必要がありますが、これをきちんとやると保護者連絡の必要な事案は徐々に減っていきますね。
④気分良く下校させる。
これもとても大切です。いつまでも引きずって怒ったままではなく、切り替えて接するようにし、児童が帰る時には笑顔で下校できるように意識しています。
こんな感じですが、いずれにしても、保護者との信頼関係はとても大切です。ですから春先はどうしても、関係を構築するためにも直接電話することが多くなるかもしれません。
担任の考えを学級便りや参観日の懇談などで伝えても、正直保護者にはあまり伝わっていませんからね。
ですが、先程述べたようなポイントを実践していくと、指導へのクレームは少なくなっていくはずです。
この春、私の学校にも新採用の教員が来るでしょうから、機を見てアドバイスできるといいなと思っています。