小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

働き方改革が進まない要因「保護者対応」

働き方改革を進める上でネックとなっているのは、保護者への対応という部分が大きいですよ、という話は以前もしていましたね。

 

toyokeizai.net

 

教育研究家の妹尾昌俊さんのこの文の内容がとてもしっくりきたので、少し紹介しつつ、自分の考えも述べていければと思います。

 

 

教員の業務の中で最も負担感が大きいのは、保護者対応です。

 

現場の教員はほぼ異論はないかと思います。

 

なぜか。

精神的に疲れるから、です。

 

確かに、時間的な拘束が大きいこともあるのですが、それより何より、精神的な苦痛が大きいと思います。

保護者対応をしていると、がっかりしたり、腹が立ったり、イライラしたりする場面が多いのです。

そして、それを我慢するしかない現実があります。

 

基本的に保護者からの申し出については、かなり理不尽なことであっても、学校側は事を荒立てようとはしません。

穏便に済ますためにはどうすれば良いか、ということを考えます。

 

少し具体的に言うと、保護者の不満を全て聞き、その上でどのような対応を求めるか聞き、その求めにできるだけ近づけるような形での対応をするのです。

 

例えば、「うちのA男がバカにされた。これはいじめだ。」と言う保護者からの連絡があったとします。担任が「A男はいつも友達のことをバカにしていて、その仕返しをされただけなのに」と思っても、それは全ての事実確認をするまでは言えません。事実確認には膨大な時間がかかります。

 

そして、事実確認の結果を伝えても、A男の保護者が「普段からクラスの子をバカにするような空気が学級にあるから、うちの子は言ってしまうんだ」と学級経営に責任を転嫁することもありえます。

 

そうなると、「学級の経営にも落ち度があったかもしれません。こちらも気をつけて参ります」と言うような返答をして、保護者の気持ちを宥めるのです。

 

「何回も注意してるのに、聞かないのはおたくの子でしょ」なんてことを思っていても、絶対にそんなことは言えるはずもなく、学級担任は言いたい事をぐっと堪えて、保護者が求める形を模索するのです。

 

学級担任としては管理職がこのようなスタンスで進めることに対してストレスを感じますし、実は管理職もそうするしかない現実にストレスを感じています。

 

 

妹尾さんはこの文の中で

「学校は保護者を恐れて、ひよっているのです」

と言うふうに書いています。

 

そして、

「ちょっと意地悪な見方かもしれませんが、校長などが「保護者との関係でこれは難しい、あれはすぐにはできない」などと言い訳をするばかりで、しっかり対話していくことや根本的な見直しに着手しようとしないから、学校は忙しいままなのではないでしょうか。」

「学校側も踏み込みが足りないのではないか、遠慮や躊躇をしすぎている側面もあるのではないか、ということを考えてもらいたいのです。」

とも述べています。

 

これはおそらく、学校行事や勤務時間の拘束について指している部分が大きいかとは思いますが、このようなスタンスを見直していくことが全てにつながっていくと思います。

 

 

働き方改革を本気で進めるなら、保護者対応を見直していくことが必要である、と言うのは全くその通りです。

 

妹尾さんの言葉を借りるなら、

 

校長や教育委員会よ、ひよることなく保護者対応の見直しを進めていってくれ!

 

と言いたいですね。