発達に何らかの障害がある児童が、年々増えている状況だというのはご存知の方も多いことでしょう。
ある意味、今まで黙殺されていたものが出てきていると考えることもでき、それはそれで良いことだなあと思う反面、教員の負担がどんどん大きくなっていることも事実なのです。
これを解決するためにはどうすれば良いのでしょうか。
現実的なデータとしてこんな調査がありましたね。
実際、今の学校現場はこの数値に近いものがあると私も思います。もっと多い感覚もあるくらいです。
こういった児童が多くいる中で、学級担任は個別の児童に配慮しつつ、安定した学級経営が求められているわけです。
「やらなきゃいけないことはわかっている。でも負担が大きすぎて耐えられない」
教員の多くが抱えている気持ちだと思います。
この負担が大きいことの要因として、明らかに発達障害があることがわかっているのに、
特別支援学級に入級させるとか、
支援学級に一部の教科で通級させるとか、
個別の支援体制を整えるとか、
そう言った手続きを取るまでの時間がかかりすぎる、と言ったことが挙げられます。
なぜそうなるかというと、
「保護者の了解をとらなければならない」
ということのハードルが大きすぎるからです。
明らかに個別で学習する場を提供した方がその子にとって良いと思っても、
「うちの子は普通学級で学ばせたい」
と保護者が言えばそうするしかないのです。
その保護者の考えを変えるため、学校側は膨大な時間をかけて段取りを整えます。
何度も面談を重ね、説明します。
面談については、学級担任や学年主任だけでなく、管理職や特別支援コーディネーター、スクールカウンセラーなども入る形になることが多いため、日程の調整もなかなか難しいものがあります。
また、面談の内容についても、いきなり特別支援学級の話を持ちかけることは無く、
「みんなと学習していてお子さんが困っている」
という視点から話を進めますので、家での子供の様子を聞き取ったり、児童が学級の中でどんな行動をしているか具体的な例を説明したりといったことから始まるわけです。
このような面談を何度も行っていく中で、保護者が「うちの子は困っているんだな」と実感すれば、そこでようやく、個別の指導の話や検査の話、そして支援学級入級の話などが保護者から出てくる、という流れなのです。
資料の準備、日程の調整、話合いの進め方…
労力は相当なものです。
しかし、その間も日常の生活や学習指導はありますから、その段取りが整うまで、例えば奇声を上げたり、立ち歩きをしたりする児童が教室にいることになります。
こんな状態では、学級経営もうまく成り立ちません。
保護者に発達障害の話をすることが難しいのは、担任の主観から話がスタートする、ということが原因だと私は思います。
「先生はそう思ってるかもしれないけど、うちの子は…」
ということになってしまいがちです。
ですから私は、もっと客観的になぜできないのかといつも思っています。
具体的に言うと、
「全員が検査する」
ようにすればいいと思うのです。
しかも2年に1回のように、定期的に。
発達に障害がある可能性があるかないかに関係無く検査すれば、全員に客観的なデータができるわけです。
そうすれば、担任の主観ではない、自分の子供の特徴が見えてくるのではないでしょうか。
実はそう簡単にはいかない理由もあるのですが、長くなってきたので、今回はここまでにして、次のブログで私の考える方法のメリットやデメリットについて述べていきたいと思います。