言い訳の多い子っていますよね。
そういった児童に対して、どんな指導をするべきか悩んでいる教員は多いです。
何より、言い訳する子にとって、言い訳で逃れられる状況というのは、その子の成長にとって良くありません。
やったことにしっかり向き合っていないからです。
私なりにこれまでやってきたことも含め、今回は
「言い訳する子を減らすためにやってきたこと」
についてお話ししていきたいと思います。
まず考えなければならないのは、
「なぜ言い訳するようになったか」
ということです。
これは簡単で、
「それで都合の悪いことから逃れられてきたから」
に他なりません。
結局、これまで周りで話を聞いてきた大人が甘かった、ということでしょうか。
保護者にしても先生にしても、それで許してしまっていたからこそ、言い訳することで自分を守ってきたのです。
人間誰でも間違いはありますし、感情をうまくコントロールできないこともあるでしょう。
だからこそ、その間違いや感情を振り返り、次に活かしていかなければなりません。
その力をつけてあげるためには、やはり大人の力が必要なのです。
嘘や言い訳で逃れられないために、私が心がけていることを挙げてみたいと思います。
◯言い訳で逃れられないための、物や状況の証拠を固めてから話を聞く
◯話の矛盾点を明確に突く
◯相手のことは関係なく、自分自身の行動はそれで良かったか考えさせる
◯家族や友達などの大切な人の思いを考えさせる
◯言い訳をしても自分にとって得なことは無いのだと実感させる
一番大切なことは、
「言い訳することはこれからの自分のためにはならない」
ということを実感させることだと思います。
最初は
「この人に嘘は通用しない」
で良いと思いますが、そのままではいけません。
周囲の人間は時と共に変化していくからです。
従って少しずつ、
「自分に嘘をついていいのか」
という思考にしていかなければならないのです。
そうでなければ、特定の人以外には言い訳をしてその場を逃れる子になってしまいます。これが一番良くないパターンですからね。
ただ、どうしても証拠が固められなくて、状況がはっきりしないこともあります。
そういった時は、私は誰かを(自分が多い)悪役に仕立てて話をするようにしています。
例えばこんなことがありました。
嘘をつくことが多く、普段から言い訳ばかりしている中学年のA君が、学校に遅刻して登校してきました。
どうして遅れてきたの?と聞くと、
「途中で出会ったおばあさんが調子悪くなったので、近くの家に連れて行っていた」
と言うのです。
まあ、はっきりさせようと思えばきちんと調べれば何とかなるのですが、そこまでの時間は取れません。
実際良いことをしたのかもしれないし、遅刻の言い訳に使ったかもしれません。はっきりしないのです。
おそらく嘘や言い訳の多い子というのは、こういった状況を放置されてきて生まれるのではないかと思うんですよね。
ですからこういう時に、その子に少しグサッとくる発言をすることで、心の引っかかりのようなものを残したいのです。
私は帰りにこう言いました。
「今日の昼休みにね、職員室で他の先生たちにA君が朝にしたこと話したんだよ。みんなすごいねー、えらいねーって言っていたよ。でもさあ、先生(私)はそう思えなかったんだ。ほんとなのかなあ、言い訳してるんじゃないのかなあ、ってずっと思ってる。たまにA君が先生に嘘ついたりするからさ、そう思っちゃうんだよ。こんな風に思いたくないな。」
なんだよ、先生は信じてくれなかったのかよ。
そう思われてもいいのです。
ただその出来事を忘れて通り過ぎていくよりは、何かしら考えるきっかけになるかもしれないからです。
子どもたちは特定の児童に限らず、まあ言い訳をしますし、嘘もつきます。全ての状況を明らかにして、はっきりさせた上で指導する、というのは時間的に不可能です。
でも結局、小さな言い訳や嘘が通じてしまうからこそ、大きな出来事でもそんな思考になってしまう訳で、その芽を摘めるときにしっかり摘んでおきたいなと思うのです。
あくまで私がやっていることは一例です。
言い訳や嘘を減らすためには、どんなやり方があるか、いろんな考えを聞いてみたいですね。