小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

対話的な学習を進めるにあたって

学習指導要領が変わり、今は対話を重視した学習が求められています。対話的な学習、と一口に言っても、どんな活動をすれば良いのでしょうか。

 

どんな活動、というよりどんな考え方をすれば良いのか、と言ったほうが良いかもしれません。

 

今回は対話を重視した授業づくりを進めるにあたって、という視点で述べていきたいと思います。

 

 

結論から言えば、「対話が勝手に生まれる授業」をする、ということです。

 

このような授業をするためには、いくつか気をつけるべき点があります。そのことについて考えていきましょう。

 

 

授業で子どもたちが対話をするのであれば、主体的に向かっていなければなりません。対話をさせることが目的になって、子どもたちの学びにつながっていない授業を見ることがありませんか。こちらから「さあ話し合うんだよ」といって始めさせる対話は果たして対話と言えるのでしょうか。

 

 

そこで、主体的に対話に向かうためのポイントを3つ挙げたいと思います。

 

1つ目のポイントは「話し合わなければ解決しない課題を用意する」ということです。

 

1人で解決できるのであれば、話し合う必要なんかないのです。だって、自分だけでできちゃうのですから。ですから、1人では解決できない課題を与えることが重要なのです。

 

ではどのような課題を与えれば良いのでしょうか。

 

例えば、

・国語…ポスターセッションの準備でよりよい発表の仕方を考える

・社会…いろんな立場の意見を聞き入れながら、これからの街づくりについて考える

・算数…いくつかの方法からどれがベストの方法なのか考える

今自分が思いつくのは、ありきたりですが、こんな感じでしょうか。

 

どんな課題を用意するかは、授業する先生が頭を捻らせて一生懸命考えるとして(すみません)、考え方として大事なのは、「正解のない(または正解が複数ある)課題を与える」ということでしょう。

 

 

2つ目のポイントは、「誰と話し合わせるか」ということです。

 

つまり話合いのグループ分けですね。これについては、変化をつけることが大切だと思います。よくやりがちなのは、能力のある子を分散させて、どのグループも一応結論が出る形にするパターンでしょうか。

 

これもこれで良いのですが、いつもそれでは同じ児童が活躍しますし、他の児童も「結局この子の考えでまとまっちゃうんだろうな」という気持ちで臨んでしまいます。

 

ですから、時には能力の高い子同士でグループを作ってみたり、教員が避けがちな仲の良い子同士のグループを作ってみたりするのです。

 

思った以上に頑張る児童も出てきますし、いつもと違う刺激に授業が楽しくなる効果もあると思います。

 

逆に力をきちんと発揮できない児童も出てくるでしょう。その時にははっきりと「○○さんはどんなグループでもしっかりできると思ってた。残念」と伝えます。

 

失敗もまた良しです。大事なのは今後にそれを生かすようにしていくことです。

 

 

3つ目、最後のポイントは、授業の雰囲気についてです。これが一番難しいかもしれません。「児童が発言しやすく、無秩序ではない雰囲気」これを作るのです。

 

発言は多いものの人の話を聞かない児童の多い学級や、先生の指示を待って先生が求める正解を探すような児童の多い学級では、対話は自然には生まれないでしょう。

 

日頃から、積極的な発言は大いに認めつつも、考えて発言すること、相手の話をよく聞くこと、反応をすることなどを、しっかり意識させるような指導をしておくことは絶対に必要です。

 

この匙加減は、学級担任の腕が問われるところです。どんなに面白い指導案でも、この「授業の雰囲気」がしっかりしていなければ対話を子どもたちが楽しむ事はないでしょう。

 

 

 

以上、3つ挙げましたが、いきなりできる学級もあれば、そうでない学級もあるでしょう。ですが、この考え方を頭に置いて日頃から授業をすると、徐々に変わっていくと思います。

 

そして、結果を評価することよりも、経過をしっかりと評価してあげること、それが次のモチベーションにつながると思うのです。