小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

不登校特例校って?

不登校特例校というのがあることをご存知でしょうか。

 

 

この不登校特例校というのは、学習指導要領にとらわれず、不登校生の実態に配慮した特別の教育課程を持つ学校のことを指します。正式名は「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」で、文部科学大臣が指定する、というものです。

 

ちょっと調べてみると、全国に令和4年の段階で21校あるそうです(文科省のwebより)。

 

ここで行われる教育課程は不登校の児童・生徒に合わせたカリキュラムが導入されていて、

例えば

①年間総授業時数を750から770時間程度に1~2割程度抑える

②習熟度別や学年の枠を超えたクラス編成をする

③体験型学習、校外学習、ボランティア学習などに力をいれる

④教室に入るのが苦手な子に適した小グループ指導、個別指導の時間を設ける

⑤専任教員の設置やスクールカウンセラーを設置する

などというようなことが行われているそうです。

 

年々不登校の児童生徒数の割合は増加傾向にあり、そういった問題をなんとかしていこうという文部科学省の意図は見えます。実際、不登校児童を抱える学校は多く、中・大規模校で不登校児童や生徒がいない学校は珍しいのではないでしょうか。

 

今後の国や文科省の進め方として、特例校そのものを増やしていきたいということか、こういうカリキュラムを通常の学校へも導入していくのかという方向性はわかりませんが、個人的に私が思っていることを述べたいと思います。

 

 

私はこの不登校特例校という名前は好きではありませんが、今後学校が目指すべき方向性が見えてくるのではないかと思っています。

 

そのポイントを2つ挙げたいと思います。

 

①特例校のカリキュラムは人員を増やせば普通の学校でもできる

 

まず、先ほど挙げた特例校の5つの例ですが、どれも普通の学校でできるのではないかと思うのです。人さえ増やせれば、です。

 

一つの学校に配置する人員を増やせれば、ある程度先ほどのカリキュラムは導入可能だと思います。実際に教育課程そのものには組み込んでないとしても、一部に関しては「やってるよ」という学校も多いのではないでしょうか。

 

②児童・生徒が行きたい学校を選ぶということにつながる

 

不登校特例校」という名前が無くなればもっと良いと思っているのですが、それぞれの学校が独自のカリキュラムを組んで進めていくということになれば、児童・生徒が自分に合った学校を選ぶことにつながるでしょう。

 

ですから、不登校の児童を受け入れる目的の学校もあれば、超ハイレベルな学習を進めるという目的の学校もあって良いと思うのです。それを選んで通えればいいなと思います。もちろん、日本は都市部だけではありませんから、町に学校が一つしかないところもあるでしょう。ですから、地域の基盤となるこれまでのような学校も残しつつ、です。

 

以上の2つのポイントから、この方向性自体は、今後につながる考え方だと思っています。

 

 

岐阜県岐阜市に、草潤中学校という公立の不登校特例校があります。ここは2021年に開校ですからまだ新しい学校ですが、授業は全て生配信され、自宅で学ぶか学校で学ぶかは選ぶことができるそうです。登校率は85%程度だそうです。

 

不登校の生徒に配慮した、たくさんの面白い試みがこの学校では行われているのですが、ここで注目したいのは、この中学校、生徒数40名程度に対して、教職員数は27名だということです。やはり人を増やすことが大事であることを証明しているのではないでしょうか。

 

 

人を増やすことが一番お金がかかります。ですが、地方の小さな町でも、廃校などを利用して小規模校を設置し、なかなか通常の学校に適応できない児童・生徒も学校を選べるようできればいいなと思います。

 

今回は「不登校特例校」について述べました。これが「不登校」の「特例」ではなく、規模や特徴にとらわれることのない学校づくりに進んでいくことを期待しています。