学校ならではの謎ルールというのが、話題になっていました。
私自身も謎だなと感じる事柄も多かったのですが、教員としての視点で自分の考えをお話ししてみたいと思います。
謎ルールその1
・5分間登校
ある地域にはこのルールがあるようです。登校の時刻が5分間に限られるということで、この時間内が児童でごった返し、危険なのではという話でした。
私はこういうものがあると知りませんでした。これは5分間という時間は安全面から言えば明らかにおかしいですが、自分の勤務校に当てはめると羨ましくもあります。
なぜかというと、この時間帯が職員の出勤時刻より後に設定されているということです。私の勤務する地域ではあり得ません。
7時過ぎには子どもたちが登校してきますから、教員の出勤時刻は8時だったとしても、大体の学級担任は7時20分前には出勤しています。
仮に私の地域で、教員の出勤時刻より後に登校時刻を設定するとなると、保護者が仕事に行けなくなるというクレームで大変なことになる気がします。
まあ、何も5分間にしなくてもとは流石に思います。
安全面を考えるなら、もう少し幅を持たせていいですよね。そこは謎です。
謎ルールその2
・給食の全体責任
給食を全員が食べるまで頑張らせる、という話です。
昔はありましたが、今もあるのかという感じです。
苦手なものには一口チャレンジしてみようとか、そんな言い方ぐらいしか最近はしなくなりましたね。
私が新採用の頃は、
「よく食べる学級は良い学級だ」
なんてことを先輩の先生に言われたものでした。
確かに、好き嫌いせずたくさん食べる学級は勢いがあって人間関係も良好だというイメージがありました。
かといって食べないと昼休みが無くなるといった強要するようなことはありませんね。
全体責任は、自分が子供の頃はありましたが、今もそれに近いものが残っているとは、意外に感じました。
ほぼ体罰のような感じですからね。
謎ルールその3
・漢字のとめ、はね問題
漢字のとめ、はねの指導が厳しすぎる、という話です。
これは書き順などにも言えると思いますが、時代的に「書く」ということの重要度が下がっていることから出てきているのではないかと思います。
わかればいい、という考えも理解できますが、美しい文字を書くのには、とめ、はねや筆順が重要だと自分的には思います。
確かに最近は毛筆を使うことも少なくなりましたし、仕事上でも手書きはどんどん少なくなり、印刷で済ますことが多いですが、美しい文字は知性を表す部分もあると思うからです。
また、子どもたちは一度線引きを緩くすると、そこからあらゆる面で崩れていくことがあります。文字に関してもそういう面があるため、特に低学年の先生などは、厳しく丁寧に指導しているところがあると思います。
ただこれは時代が進むにつれて古い考え方になるのだろうな、という気持ちはあります。
これからの時代を生きる子どもたちにどんな指導をすれば良いのか、私ももう少し考えをアップデートしていく必要がありそうです。
謎ルールその4
・筆算に定規を使う
筆算に必ず使いなさいという指導をされていることに、違和感を感じるという話です。
効率の面で考えれば、定規なんか使わない方が時間もかからないしいいだろうという考え方ですね。
わかります。
私は高学年の担任が多いので、どちらかというとこの考え方に近いですね。
ただ、これも先ほどの漢字の件に近い話になってしまうのですが、「桁や位を揃える」とか「マスや行を意識する」ことが苦手な子どもには、定規を使うことは有効です。
学校、特に小学校では、児童の学力に相当の差がありますから、定規を使うことで救われる児童もいる訳です。
私の場合は高学年の指導にあたることが多かったので、「位やマスを揃えることが苦手なら、定規を使って筆算するといいよ」などと説明して選択させるようにしていました。
低学年や中学年の場合は、フリーハンドで真っ直ぐな線を描くことができない子もいます。ですから定規というのは一つの武器として、お助けツールとして使っていくといいと思いますね。
今回は「世間が見る学校の謎ルール」についてお伝えしましたが、自分も学校というものに勤務していて、なんで学校ってこんなルールや考え方をするのかな、と思うことがたくさんあります。
これまでブログにも書いてきた通り、今後もこれまでは常識だったから、という考え方は極力捨てて、自分自身の考えを伝えていけたらと思いますね。