不登校の児童が増えています。
以前、コロナ禍によって学校に行かなければというハードルが下がった、ということを述べましたが、今回の話題はコロナと結びつけるのとは別に、単純に不登校の児童は増えている、という話をしたいと思います。
一昔前であれば、不登校の児童が登校できない理由は、友達関係がうまくいかないとか、割とはっきりとした理由があったのですが、今の不登校は違います。
よくわからない理由だったり、そもそも理由をうまく説明できなかったり、非常に多様化しているのです。
不登校の児童が抱えている事情にはいくつかの傾向があります。
そのほとんどの対策を学校が立てているというのが今の状況です。
結果的にその対策がうまくいかずにますます児童が登校できなくなったり、教員の業務が雪だるま式に増えていったりといったことにつながっていってしまっているのです。
ですから、傾向を分析する事も含め、専門的な分野からアプローチしていくことが必要だと私は考えています。
そのためには今のシステムでは足りないと思っているんですよね。
まず、現在の不登校について整理しましょう。
不登校となる要因について、主に考えられるものとして挙げてみます。
①いじめや人間関係の悪化によるもの
②家庭環境に起因するもの
③怠惰傾向によるもの(学校に行っても意味がないという考え、ゲーム依存なども含む)
これ以外にも原因は多様にあると思いますが、自分の経験から大きく分けるとこんな感じだと思います。
今の現状の対応としては、まずは学校側が時間をかけて考えられる可能性を全て潰していき、その結果どうしようもなくなったら、保護者の理解を得てからカウンセラーに相談したり専門の機関に相談したりといった流れになっているのではないでしょうか。
これがあまり効率的ではないと思っているんですよね。
例えば、学校で不登校の対応をする場合に一番可能性として疑うのが、①の学校内での人間関係についてです。実際、本当は②や③や④が原因だとしても、児童や保護者の口から出てくるのは①の人間関係についてだったりすることが多いです。
ですから、学校はその話を信じて担任が解決に動くのですが、関係が改善しても不登校の児童は変わらないですし、そもそもそこまでの問題が存在しない事もあります。
学級担任がものすごい労力をかけても、あまり成果を得られないことが多いのも確かなのです。
そこで、不登校児童生徒の減少に向けて、こんな考えはどうでしょうか。
①スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーが常駐する施設を作り、不登校疑い発生の際は即スクールカウンセラーと面談する
②前述の施設が原因を分析し選別する
③いじめや学校での人間関係は学校が、家庭環境や怠惰傾向に起因するものは児童相談所が、特性や病気によるものなどは医療機関が、③の施設と連携し対応する
④学校とは別の、不登校の児童が行ける場所を用意する(各自治体ごとに公立のフリースクールを設置するなど)
⑤学区の自由化及び転校の簡略化をする
不登校減少に向けて、とは述べましたが、これはあくまで保護者や本人が「学校に行きたい」「戻りたい」と思っている人用のものです。
正直、学校に行く必要がない、行っても意味がないと思っている保護者や児童に合わせるだけの余裕は今の学校現場にはありません。
ですから、不登校で良いと思っている家庭はそれを受け入れるという事も必要だと思っています。
今回は不登校、ということについて述べていきましたが、やはり学校や学級担任がいろんなことを抱えすぎているのが問題であるのは間違いありません。
分業できることはどんどん分業していき効率よく連携しながら進めていかないと、すでにパンク状態の現場は崩壊してしまいます。
施設にしても人員にしても膨大な予算が必要なものではありますが、子育て支援を強化するなら惜しむべきところではないと思うのです。