「これ、学校が対応しなきゃならないことなのかな…」
最近多い教員の愚痴です。
今回は学校はどこまで対応・介入しなければならないのか、この点について述べていきます。
先日、高学年の児童の保護者から電話が入りました。
「昨日の夜、同じクラスの友達とゲームの中で喧嘩して学校に行きたくないといっている。なんとかしてくれませんか」
という内容でした。
はあ?
という感じです。
学級担任は、行きたくないと言っている児童を電話に出るように保護者に伝え、その児童に
「学校でちゃんと話を聞くから、登校しておいで」
と言いました。
電話を切った後、首を傾げながら
「対応しますけど、これ、学校で対応するものなんですかね?」
と苦笑いしていました。
その子は学校に登校し、担任と話をすることでさっぱりしたようで、仲直りもし、普通に1日を過ごしたようでした。
後で詳しく聞いた話によると、格闘系のゲームで遊んでいて、今回登校を渋った児童があまりに強いので、いつも負ける側の児童が怒り、
「もうフレンドをやめる」(ゲーム上での友人登録)
と言って一方的にいなくなった、という内容だったそうです。
この件の解決のために、朝から双方の児童に話を聞き、それ相応の時間を使ったのです。
このようなことに丁寧に対応し続けているのが、今の学校の現状です。
保護者にとってはありがたいでしょうが、これでは働き方改革は進まないのです。
子供に寄り添うのが学校だ。
困っていることがあったらしっかりと話を聞いて、安心して学校生活を送れるようにすることが大切だ。
という管理職も多いでしょう。
結局御用聞きのようになって、何でも学級担任任せとなり、教員自身が疲弊していくことにつながっていくのです。
どこかで線引きをしないと、保護者はいつまでも学校任せになってしまうのではないでしょうか。
今回のような件については、学校側が「こんなことがありました」と保護者に学校便り等を通して周知し、
「これは学校が解決するものか、家庭で解決するものか」
と投げかけ続けなければならないと思います。
似たようなケースはたくさんあって、
「いつも同じ子がうちに遊びに来て、マナーが悪くて困っている。なんとかしてくれないか」
とか、
「貸したゲームが帰ってこないので返すように言ってくれないか」
とか、とにかくたくさんあります。
確かに保護者は直接は言いづらいと思います。
学校や学級担任に言えば、とりあえず何とかしてくれますから、そうするのでしょう。
しかし、です。
これって弁護士の代理人的な役割や、不動産の仲介業者の役割に近い感じがしませんか。
手数料を取りたいくらいです(笑)
こういったことにはっきりと物申すのは、学級担任では無理です。
先ほど投げかけ続けることが必要だ、という話もしましたが、きちんとしている家庭であればあるほど、そういった周知に目を通しています。
しかし、非常識な要望をしてくる家庭であるほど、そういった周知を知らなかったり、あるいは知ろうとしなかったりしているのです。
ある程度はっきり言える線引きをすることが、やはり必要なのではないかと思っています。
学校長や教育委員会がその役目を担ってほしいなあと感じています。
そして、学校の外で起こったトラブルに関する相談窓口や、保護者を育てるためのシステム、子供の問題専門の法律相談窓口の整備など、セーフティネットを作ることも忘れてはなりません。
こうやって述べると何だかドライな感じがしますが、役割を分担することで一人一人の負担を減らし、子供が育つ環境を整えていきたいものだなあと思っているのです。