報道で最近よく話題になる、学校現場のブラックさについては、私も何回か述べていますが、改革が進む方向に進んできたような気がします。
この時期(1月)は、来年度の教育課程(来年度の行事や目標など)を各校で作り上げる時期です。児童、保護者、教職員へのアンケートなどをもとに、具体的にプランを練っていくのですが、児童数減により職員数も減ってきており、管理職も活動の精選と働き方改革に、本気になってきています。これはかなりの進展だと思います。
ということで、天の邪鬼な私は、タイトルにもありますように、
「教員は本当に忙しいのか?」
という話をしたいと思います。
なぜこのような話をするかというと、学校の先生は勤務時間についての捉え方が、他の業種とは明らかに違うと思うからです。
公立学校の教員は残業手当が出ません。
これは残業代を出さない代わりに、基本給の4%を教職調整額として支給するという「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(略称 給特法)いうかなり古い法律があるからです。1972年施行ですから、今から50年以上前です。当時の残業時間(月8時間)に合わせて出た金額が給与の4%ということなのだそうです。
この法律が長年続いてきていて、習慣化しているのです。ですから、教員は勤務時間の管理をする、という感覚はありません。当たり前です。必要がないのですから。
これが、勤務時間前に学校に来て子どもたちに会い、子どもたちが下校してから膨大な残務整理を行うために長時間に渡り残業するという、いわゆる「タダ働き」状態を生んでいるというのが、学校がブラックだと言われる所以となっています。
教員の長時間労働と働き方改革についてはこれまでも私見を述べていますのでご覧になってみてください。
教員の長時間労働は確かにその通りなのです。
確かにその通りなのですが、
あえて言わせていただきたいと思います。
本当に必要な残業、してますか?
と。
過去にも述べていますが、早く帰る教員の方が、児童の指導も行き届いていて、書類系の提出も早いなんてこともたくさんあるのです。
逆に、「これに慣れているから」と古いシステムを更新しようとせず、効率的に仕事ができていない先生もたくさんいます。
学校全体で見ても、年長者への配慮もあるからか、アップデートしないままのシステムで前年を踏襲する形のまま行われていることの何と多いことか。
今の学校現場は、ちょっと意地悪な言い方をすると、いくらでも長時間勤務していいですよ、ということになります。
何時に帰ってもいいということが、仕事の遅さを生んでいませんか、と問いたいのです。
教員自身も、少しそれを自覚しているから、これまで働き方改革が進んでこなかったという一面もあるように感じます。
結局、問題は勤務時間の管理では無く、能力の評価の仕方や業務の効率化などのシステム作りなのではないかと思うのです。
とまあ、ここまで書きましたが、実際に教員は忙しいです。遅い時間の保護者対応、校務分掌の仕事、学年での打ち合わせ、まだまだ膨大な業務を抱えています。まして相手が子供ですから、予定通りに行かないことも山ほどあります。
ですから、今の働き方改革を進める流れは喜ばしいことで、どんどん手を入れていって欲しいのです。
その際には、現場、つまり教員自身も工夫できるところがないか考え、変えるべき点は変えていくという姿勢をもって進んで欲しいなと思います。
学校という場所で学ぶ子供も働く教員も満足できる、そんな環境になることを期待しています。