小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

働き方改革を進めていくためには②

前回は働き方改革が進まない現状とその主な原因などについて述べましたが、今回は教員自体や学校という職場環境が抱える問題について触れていきたいと思います。

 

 

ブラックな現状を変えていくために、教員の誰もが働き方改革の推進を望んでいるのは間違いありません、と言いたいところですが、本当でしょうか。

 

一概にそうでもないのではないか、ということなのです。

つまり、教員自体が、働き方改革の進まないこの現状に満足している節はないだろうか、ということです。

 

え、どういうこと?と思う方も多いでしょう。

 

公立学校の教員は公務員として働いています。そこで一定の給料を得ることができるわけです。能力の高い先生も、言い方は悪いですがそうでない先生も、です。年齢を重ねるごとに給与水準は上がっていきますが、年齢とともに能力が高くなるかどうか、つまり職場にとって有益な存在になっていくかどうかは人それぞれです。給与水準とは一致しないのです。

 

ということは、安い給料でバリバリ働く先生もいれば、高い給料で問題を多く抱える先生もいるということです。

 

例えば、同じ経験年数の教員が2人いたとして、同じ仕事内容があったとします。1人は学級経営がうまくトラブルも無いため、放課後すぐに仕事に取り掛かり、素早く終えて早く帰ります。もう1人は学級のトラブルの保護者への連絡で時間がかかり、その後仕事に取り掛かりますが、管理職に確認を取ると手直しが入り、それを直すので、当然遅く帰ります。

 

でも、この2人の給料はほぼ同じなのです。

 

これはつまり、仕事のできるできないはあまり関係ない、ということを意味します。仕事は遅いけれど、勤務時間を長くすることによって何とかこなしていく、このような状況に、教員自体が満足している部分があるのではないかということなのです。

 

働き方改革が進んで、時間内に仕事を終えなければならなくなり、トラブルを少なくしていかなければならないとなると、より一層個人個人の能力が問われてくる…これが多くの先生方は嫌なのではないかということです。

 

 

さて、次は学校という職場の環境から考えていきましょう。

 

先述した同じ経験年数の2人の教員を例にして考えてみましょう。

2人が学年を組んだらどうなるでしょうか。

 

先程の仕事のできる教員は、もう1人の教員の学級について一緒に解決の方法を探ったり、もう1人の仕事の進み具合に合わせて学年での話し合いをしたりすることになるでしょう。自分の学級の仕事だけやっていれば良いという場合ではなくなります。カバーをしないと学年経営が成り立たなくなるからです。

 

自分の仕事は勤務時間内に終わっていても、隣の学級のことで残って勤務することが多くなります。必然的に勤務時間も長くなるという話です。

 

また、管理職はできる人にほど対応が難しい児童や保護者のいる学級を任せます。そうなると、どんなに優秀な先生でも、学級のトラブルが多くなったり、他の教員の助けを借りたりする場面が生まれてくることが予想されます。

 

能力が低い教員が、負担の少ない仕事を終えて早く退勤する、能力の高い教員は、難しい仕事を多く抱え勤務時間が長くなる、こんなことが起こりうるし、実際にあるのです。

 

 

 

このような難しい現状はありますが、公教育がこれからも安定的に機能するためには、働き方改革は絶対に進めていくべきものです。

 

教員自体が考え方を少し変換していくことも大切ですが、そのためには教員を評価する観点をしっかり上が示すことが必要だろうと考えます。そこにはもちろん報酬(給与)という面での評価も含みます。管理職が学級をレベル分けし、難しい学級を持つ教員には報酬を加算していく、なんてこともアリかもしれません。

 

教員一人一人をできるだけ平等に評価するシステムを構築することで、効率よく仕事を進めることへ考えがシフトしていくのではないでしょうか。

 

 

いやー、②では終わりませんでした。前回予告した若い先生方の資質向上についても触れたかったのですが、今回はここまでにします。