小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

教員の勤務時間の短縮 どう図る?

教員の業務が激務であるということは、もう知らない人はいないほど誰もが知っている事実であると言っていいでしょう。そのため、あらゆる場面で教員の勤務時間の短縮や仕事の効率化については話題に上がることが多いですが、実際のところはなかなか実現に至っていないというのが現状です。

 


ではなぜなかなか進まないのでしょう?

 


一つは成果に走りすぎない勤務の内容にあるといえます。教員が評価される指標というのがはっきりしていないため、何でもかんでも自分の仕事だと思い頑張る教員が多いのです。これは教員の素晴らしい面だともいえますが、「子どもたちのため」というキーワードのもとに、終わりがない仕事をしてしまうのです。

 


例えば子どものノートのチェック。赤丸をつける先生もいれば、購入したキャラクターの可愛いスタンプを押す先生、毎日必ずコメントを書く先生もいます。これら3つを全てやる先生もいます。時間をかけて丁寧にやればやるほど時間がかかるのです。

 

そしてそういう先生は「一生懸命な先生だね」と評価されることが多いはずです。本来であれば教員が頑張ることだけでは評価に繋がらないはずです。子どもの学力がついたか、人間的に成長しているか、などが評価の指標になるべきなのに、教員の頑張りを評価の指標にしてしまう、ここに一つの問題があります。

 


教員も実はそれに甘んじている部分もあると思います。はっきり数字で表されたくないという面もある気がします。また、数字で出る面だけを評価の指標にすると弊害が出る現場であることも確かです。

 

学校行事などでは、雑用のような仕事が実はとても大きなウエイトを占めることもありますし、先生方が協力し合い支え合いながら学年経営を行なっています。自分の学級だけを見れば良い、隣のクラスは知らんこっちゃない、なんてことをされてしまうと大変なことになってしまいます。

 


二つめは保護者の要望です。例えば学校行事は保護者が自分の子どもの様子を見ることができる貴重な機会です。行事の精選を図るよういわれて久しいですが、保護者は行事を減らされたくはありません。当然だと思います。運動会が無くなるのは、学習発表会が無くなるのは寂しいです。親なら誰もがそう思います。ではそんな学校行事を学校がなくする事ができるでしょうか。答えはノーです。校長がわざわざ保護者に嫌われるような事をしますか?しませんよね。

 


教員の多くは行事を減らしたいと思っているのに(管理職も含めて)、できないのです。決める側が現場の学校ではよっぽどのことが無い限りできないのです。

 

このことについては、教育的効果も含めて国なり県なりでしっかり分析し、教育委員会からの指示でこの行事を無くします、とやって欲しいものだなあと思います。まあ、決断力のある校長は実践できるかもしれませんが。

 


もともと教員のほとんどは、教員という仕事しか知りません。他の仕事が業務の時間管理をどのようにやっているかなどは知らないですし、先輩の姿を見て真似するところからスタートしている人がほとんどです。それが当たり前になってしまい、なかなか変える事ができないのが現状と言えるでしょう。

 


そんな中ではありますが、ようやく勤務時間についてしっかりとした考えを持つ管理職や若い教員も現れてきました。仕事ができるのは長く働くのでななく、短い時間で成果を上げるという基本に立ち返り、教員の仕事を見つめ直すことで、働き方改革にも繋がってくるはずです。

 


保護者の要望をある程度のラインで止めるために現場では無い立場から決めてほしいということ。そして現場の教員も自分達の評価の指標を成果主義に変えていくこと。この2つを少しでもできれば、夜遅くに保護者からの電話が鳴ることも、そしてその電話に出る教員もいなくなるはずです。