小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

土曜日に授業…アリ?ナシ?

新年度が始まりましたが、こんな記事を目にしたので今回はこれについて述べたいと思います。

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土曜授業をしているところも出てきたという話は聞いていましたが、結構やっているところがあるんだなあ、というのが率直な感想でした。

 

私も採用された頃は土曜授業があり、自分が子供の頃も含めてそれが当たり前のような感覚がありましたが、その後完全週休2日制となり、もうあの頃のような感覚はとうに忘れてしまいましたね。

 

 

実際のところ、あまりメリットはないのではないかと思います。

 

土曜日を授業に充てる目的は授業時数の確保が主に挙げられていますが、その目的なら土曜授業は必要ないというのが私の考えです。

 

もっと極端な言い方をすれば、増やすべきなのは授業の時間数ではなく、教える教員を増やすことだと思います。

教員を増やせば、今の時間数でも、学習の定着率はかなり向上すると思います。

 

個別の支援が必要な児童が多く学級にいる中で、今のような一斉指導のスタイルの授業では、学びが定着しないのは仕方のない面があると思います。

 

実際、教室を飛び出してしまう児童を担任が追いかけて、授業が成立しないなどの例が私の学校でもあります。このような学級でも、複数の教員で見ていれば、授業をする教員と個別の対応をする教員とで役割分担しながら、学習時間の保障ができるわけです。

 

今ある授業時間をきちんと身のある時間にするためにどうすれば良いかを考える方が先なのではないか、と思っているのです。

 

 

また、土曜や日曜には家族や地域の行事、習い事なども入っているはずです。

 

昔は全員参加するのが当たり前だった運動会や学習発表会も、スポーツの大会や習い事の発表会などと重なり、学校行事を辞退して欠席する児童も昔に比べて多くなりました。

 

学校側も、土曜日に行事を入れる際には、なるべく地域の行事やスポーツの大会と重ならないように留意するのですが、それでも完全にはできません。

 

つまり、全員一様に何かをする、ということはもうすでに無くなりつつある、というのことなのです。

 

 

ですから逆に考えれば、土曜に授業するのも「アリ」なのかもしれません。学校には行かなければならない、という考えを除ければですが。

 

学校の勉強がもう1日あれば理解が深まるかもという低位の児童や、親が仕事に出るので学校で勉強している方が有意義だと考える家庭などは、土曜に学校に登校すればいいのです。

 

それこそ、前にブログで呟いた「学校が保育園になる」状態ですけどね。

kosukedad.hatenablog.com

 

土曜に授業をするとなると、教員は複数担任制や私が以前から提唱している学級担任制の廃止などを行わなければならないはずです。そうなると教員の働き方改革が逆に進むかもしれません。

 

発想を変えれば、今までなかなか変えられなかった部分を変えることができるかもしれない、とも思います。

 

 

ですが先ほども言った通り、目的が授業時数の確保であるならば、すぐにやめた方がいいでしょうね。

 

 

私たち教員は、これからの時代を生き抜く子どもたちに、「何を学ぶか」ではなく、「なぜ学ぶのか」「どう学ぶか」を教えていかなければならないのです。

 

そして、「学んだことをどう生かしていくのか」を考えさせていかなければならないのです。その意味では、学校以外の時間こそが、学びを生かす場とも言えるのです。

 

 

これからは本当の意味で主体性が問われる時代になります。

 

作業的な学習をいくらできても、そんなことはAIの方が早いでしょう。単純作業的なものだけでなく、どんどん我々の生活にAIが入ってきている現状です。教科書の内容を覚えたところで、さして意味はないのかもしれません。

 

社会に出て、何をしたいのか、どんな自分でありたいのか、人とどのように関わっていきたいのか…そんなことを考えられる人材を育てていかなければならない、と私は考えているのです。