小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

部活動の地域クラブへの移行について

私は小学校の教員ですが、今回は部活動のことについて話をしたいと思います。

 

最近は部活動の地域スポーツ・文化クラブへの移行が進み、小学校で部活動を行っている地域は少なくなっています。私の住む地方でも、小学校は数年前から完全に地域クラブに移行しました。もう現在は何の違和感もなく、学校は学校、クラブはクラブ、というように棲み分けができています。

 

私自身の話をすると、地域クラブへの移行の時期は小規模校に勤めていたこともあり、部活動には全く関係のない勤務をしておりましたが、それまでは違いました。かれこれもう20数年教員をやっておりますが、教員になってからの15年ほどは、まさに部活動の指導に燃えていたのです。

 

新採用になって野球部の担当となり、すぐに夢中になりました。自分が野球経験者だということもあり、日々上手くなっていく子どもたちと野球をやるのが楽しくて、毎日真っ暗になるまで指導しました。結果もついてきて、人脈も広がり、充実していたと思います。学級経営がでうまくいかないストレスを放課後の野球部の活動で発散していた時もあったかもしれません。

 

もちろん土日も練習試合や大会などでほぼ潰れ、完全な休暇はあまりありませんでした。我々教員は、休日に部活を指導しても、タクシーでちょっとそこまで行くくらいの手当しか出ないのです。学校の教育活動の中に組み込まれているのにも関わらずです。しかし若かった私はそんなことには全く疑問を持たず、指導に燃えていました。

 

今考えると、その頃の私は独身ということもあって自由が効いていたのですが、指導をしている先生方の中には家族と過ごす時間が取れず、苦労していた人も多いと思います。まして、未経験者など、不本意な形で任されている先生などは特に。

 

ただ、部活の指導はあったものの、現在ほど通常の業務で、保護者への対応に時間が掛かったり、一日何回も電話するといったことは無かったように感じます。保護者もあまり細かいことは言わず、「先生頼むじゃ」といった感じで任せてくれていましたので、そういう面では楽だったかもしれません。今の勤務先で部活動をやると考えると、とてもじゃないけどできません。ゾッとします。

 

 

さて、ここまで自分(小学校について)の話をしてきましたが、いよいよ中学校でも部活動の地域移行が本格的に行われる動きとなってきました。私の街でも、来年度から運用される見通しです。教員の働き方改革を進める上でも、大切なことではあると思います。

 

しかし、難しい面があることも確かです。一つ目として挙げられるのは、指導者の確保でしょう。中学生が放課後となる時刻は16時前後。この時間から指導にあたれる一般の方がどれくらいいるでしょうか。会社に勤めていれば、まだ勤務時間です。中学校の場合、技術指導という面もありますが、人間的な成長を促す一面もあります。いろいろな生徒がいる中で指導する人材をどのくらい確保できるでしょうか。

 

次に挙げられるのが金銭面です。日々の活動自体にはさほど影響がないかもしれませんが、例えば勝ち進んで全国大会に出場するとなった場合の遠征費などはどうなるでしょうか。実は学校では、PTAの予算と共に、部活動等に使うための予算を積み立てている場合が多いのです。そこから、例えば先ほどの例のように全国大会の費用や、古くなったユニフォームを買い替える費用などに助成したりするのです。学校のPTAが母体ですから、分母が大きいので一人当たりの負担が少なくなる仕組みができていたのです。これを一つの部活動単体で賄うとなると、大きな負担も予想されます。

 

そして最後に、中学校の先生方についてです。中学校の先生方は、「部活の指導がしたいから」先生になったという人が多いのも事実です。やりたいことを奪われてしまう面もあるのかなと思います。まあ、中学校は時間の拘束という面でいうと小学校以上にブラックであり、勤務体制を改革すること自体は絶対に必要ですが、部活をやりたい人をどうするか、ということは考えなければいけません。

 

私の街では地域クラブの指導は教員も可能であるということが明記されています。ですから中学校の先生も、指導はできるのです。しかし、地域クラブの指導者には私の街では謝礼金が出るらしいのですが、中学校の先生はこれを受け取れるのでしょうか。これは副業にあたらないのでしょうか。

 

私は公務員の副業を認める動きについては、早く進んでほしいと思っています。特に教員は、いわゆる「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、休日の勤務や時間外の勤務の手当を支給しない代わりに月額給与の4%を特別調整額として支払う)」の影響もあり、勤務時間に対してルーズです。自分の時間を確保して、その分を副業なり趣味なりにかけることができれば、教員の時間の使い方も違ってくるはずです。

 

最後は少し話が脱線気味になってしまいましたが、部活動の地域移行は基本的には大歓迎です。コロナで社会の価値観が大きく変わる中で、学校も大きく変わっていく時期に来ていることに違いはないでしょう。問題点はあるとは思いますが、一つ一つ解決してよりよい方向に進んでほしいと思っています。