高学年になると、ただ褒めるだけではモチベーションの上昇に繋がりにくくなってきます。
今回は、なかなか上がらない高学年のモチベーションアップの方法について、述べていきたいと思います。
低学年の頃は、子どもたちは褒められたくて良いことをしたり、自らこんなことしたよとアピールをしたりといったことがよくあります。
褒めれば褒めるだけ子どもたちは頑張るようになることも多いのですが、学年が上がって行くにつれ、徐々にそれだけでは難しくなっていくものです。
まして、学年が上がれば、求められることのレベルも上がっていきます。
簡単に褒められなくなっていくのです。
そして反抗期なども始まり、素直に聞き入れない子たちが出てくるのも事実です。
ですから、高学年には、工夫してモチベーションを上げる必要があるわけです。
私が子どもたちに伝えてきたことは3つあります。
①意味を問う
②自分が見ている
③今じゃないときに生きる
この3つです。
実際に子どもたちに話した感じも紹介します。
①意味を問う
「それをやることがどんな意味があるのか、考えてみてください。自分自身が意味がないと思えば、やる気は起きませんから、やらなくてもいいんだよ。でも、あなたたちはわかっているはずです」
②自分が見ている
「誰も見ていないかもしれない。でも必ず一人は見ている。それは自分自身。自分は必ず見ている。その自分に認めてもらうようにしていこうよ」
③今じゃないときに生きる
面倒臭いかもしれない。でもそれは今じゃないいつか、役に立つことかどうか考えてみてほしい。もし役立つと思うなら、どうすればいいかわかるはずだよね」
自分に自信を持てることをしているか自身に問うことができれば、その行動がいいかどうか、やるべきかどうかが自然にわかるはずだと思っています。
とはいえ、誰しも認められたい、褒められたいという気持ちはあります。
これは大人になってからも同じで、「先生だってそうだよ」と私も子どもたちに話すこともあります。
そこで我々教員がさらにすべきことは、
「見ていないようで見ている」
を子どもたちに感じさせることです。
成長とともに子どもたちはいろいろな考えを持つようになります。
例えば、目立ちたい。目立ちたくない。
目立ちたい子は、積極的で堂々としているという面もあるけれど、見ているところと見ていないところでは態度が変わるかもしれません。両面考えられるわけです。
逆に、目立ちたくない子は消極的で存在感が薄いという面もありますが、人前でないところでもしっかりやってくれる、という子かもしれません。
例えば、流されやすい。流されにくい。
流されやすい子は、悪い影響を受けやすいともいえるが、周りの人によっては良い成果を上げるかもしれませんし、逆に流されにくい子は、悪い影響は受けにくいけれど、頑固で柔軟性がないかもしれません。
それぞれの良い部分とそうでない部分をしっかりと見て、あるときぽっと、
「あのときのあなたは…」
と褒めることができるといいですよね。
自分をネガティブに捉えがちな高学年の子には、自分の意外な所を褒められたりすると、「この人は見てくれている」と信頼感が高まっていくのです。
見てるんだなあ、と思わせるのは子どもたちが活動する上での安心感につながり、「思った通りやっていいんだ」という自信につながります。
正しいことがきちんと目立つようになっていくのです。