子どもたちがやる気を出すのはどんな時でしょうか。
楽しそう。
面白そう。
遊びやスポーツなどに対して見せるやる気は、こういった感覚的な興味や関心から出てくるものがほとんどだと思います。
今回は学校生活で子どもたちがやる気を出す場面、つまり「楽しそう」「面白そう」ではない、別の意味でのやる気の出し方をテーマにしてみたいと思います。
学校生活において、というか社会生活においても言えるかと思いますが、やる気を出すポイントがいくつかあると私は考えています。
そのポイントを5つ挙げてみます。
①信用・信頼されている
②誰かの役に立つことである
③自分のためになることである
④自分がやることが他の人がやるよりも適している
⑤自分たちがやらなければ何も変化しない
この5点ですかね。
①信用・信頼されている
信頼されていると自分で感じたら、やらなきゃならないなという気持ちになるはずです。
大人になってもそうですよね。
「あなただったら大丈夫。信用してるから」など言いますね。
ただ、日常の行動が伴っていることが条件です。
教師がたいして信じていないのに、「信じているよ」と口だけで言っても、私的にはあまり意味はないと思います。
そういうのって気づきますよね。
「信用しているって言ったじゃないか」とかえって指導が増えることにも繋がってしまうのです。
②誰かの役に立つことである
子どもたちは人の役に立つことは基本的に大好きです。
特に自分より小さな子に対しては、ものすごくやる気を出します。
目に見えない人よりも、今そこにいる人のためになると、実感が伴うからです。
ですから、学年をまたいだ交流などで、やる気を喚起するといいですね。
具体的には、自分たちが考えたイベントに、下の学年を招待する等が挙げられると思います。
これが高学年になってくると、今目の前にいる人ではない人々に対して、役に立つということの意味を考えることが必要です。
そうやって徐々に視野を広げていきたいものです。
③自分のためになることである
行動することが自分のためになると思えば、自然に子どもたちは行動を起こします。
いや、起こす子もいます、ですかね。
これは理解力の高い子はできるのですが、実はそんなに簡単ではなく、なかなか難しいです。
どんなことが、なぜ自分のためになるのか、ある程度一つ一つのことに対して丁寧に説明することが必要ですね。
それを繰り返すうちに、子どもたちが自分で判断して動いてくると思います。
④自分がやる方が他の人がやるよりも適している
得意なことには誰でも意欲的になりますよね。
他の人よりも自分がやるべきだという気持ちになるには、自分をよく知っていること、担任がしっかり普段から認めていることが大切です。
ですから、日常の中で気づかせてあげる工夫が必要です。結果がはっきりしているもの(○○が早い、とか)もあれば、本人がなかなか気づかないもの(周りの空気を読んで気配りできる、とか)もあります。
あなたはこういうことが得意だよね、合っているよね、と話してあげるようにしたいですね。
⑤自分たちがやらなければ何も変化しない
先生がどこかでやってくれるだろう、という気持ちを子どもたちはもっていることが多いです。
それをとことん裏切って、私は手伝わないよ、という場面があってもいいと思うんですよね。
そこで本当に考えると思うんです。
誰かがヒントをくれると思えば、それを待ってしまうのではないでしょうか。
以上、5つのポイントを挙げてみましたが、改めて思うのは、子どもたちがやる気を出す思考になっていくのは急にはできない、ということですね。
日常的に子どもたちをしっかり見て、その子の良さであるとか、良い行動を認めていて、預けるところはしっかり預ける。
手を差し伸べすぎることなく、しかしちゃんと見守っている。
そういう支援ができれば、子どもたちはやる気をどんどん出すようになっていくのではないでしょうか。