担任が「合う」「合わない」という経験は、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
今回はそんなことを述べていきたいと思います。
私の勤務する小学校は、基本的にとても優しい先生が多いです。もちろん小学校ですので女性の先生も多く、低・中学年の男子の児童の指導に手を焼く場面を良く見かけます。
私の勤務校は地域的にあまりガラの良い地区ではなく、言葉遣いも荒く、乱暴な児童も少なくありません。
そして最近は、いわゆるグレーゾーンに当たる児童も学級に必ず何人かいるわけです。なかなか話が通じない児童も現実にはいるんですよね。
そういう児童が多い学級になると、少し威圧感のある男性の先生が効果的だったりします。
傾聴と納得を心掛ける指導はもちろんなのですが、時には理屈ではなく思い切った指導をすることが良い方向に進むこともあるんですよね。
強烈なリーダーシップで、これは良い、これはだめだ、と言って進めていくパターンです。そして、そういう先生に優しくされると、子供も一気にその先生のことが好きになるんですよね。クラスはまとまっていき、これまであったトラブルが少なくなることも多いです。
ただ、このタイプの先生は、熱血漢で熱くなるので、その熱さが苦手な児童がいたり児童の反感を買ったりすることもあります。これが保護者に伝わって関係性が崩れた事例も私は見てきました。
ここら辺が「合う」「合わない」という部分なのかなと思います。
強烈に引っ張っていくタイプの担任は、特に女子児童に嫌われる傾向もあります。表面的には出てこないのですが、あまり話を聞かずグイグイ行かれると、やっぱり嫌なんですよね。
逆に厳しい指導ができない先生は、ちょっと乱暴な男子児童に舐められてしまい、学級全体に対する指導が行き届かなくなります。
年度が変わって違う学級をもつと、途端に学級がうまくいくということもあり、これが教員と児童の相性というものなんだと思いますね。
また、表面上学級がうまくいったとしても、クラスの児童が自分の判断で変わっていったのかそうでないのかによって、担任が変わった時に元の問題だらけの姿に戻ってしまうこともあるのです。
担任が自分でクラスを変える、という意識ではなく子どもたちがクラスを変えていくという意識で変わっていったかが大切なんですよね。
これをできる先生というのがなかなかいません。
男性の先生でも女性の先生でも、リーダーとしての部分と、ファシリテーターとしての部分を両方兼ね備えることが必要なんですよね。
そんな完璧な先生はあまりいませんから、学校としては勢いのあるタイプの先生はこのクラスを、穏やかだけど学習指導は間違いないタイプの先生にはこのクラスを、と担任を決めていくのです。
毎年相性の良い関係を築けると良いのですが、全学級がそのようにはなかなかいきません。
子供や保護者が「この先生とは合う」「合わない」と思っているように、担任も同じように「合うな」「合わないな」と思っているのが正直な気持ちなのです。