こんなのもネットニュースになるんだなあと思ったので、今回はこの記事についてお話したいと思います。
誰もが手にしたであろう卒業アルバムについてです。
卒業アルバムを作るために、6年生の担任の教員はとてつもないエネルギーを使っていて、大変だという話ですね。
私はこれまで卒業学年を担任することが本当に多く、数えてみると10数回は担任をしているのですが、卒業アルバムは本当に大変なんですよ。
私が経験してきた卒業アルバム作りについて、大体の流れからお話ししましょう。
小規模の学校であれば業者を使わずに済ますこともありますが、普通の規模の学校であれば、4月に業者を選定することから始まります。
街の写真館数社に見積もりを取り、最終的には校長が判断することになります。
ただ、アルバム作りは写真の蓄積が必要なので、多くの学校ではほぼ毎年業者は決まっているのではないかと思います。
その後、年間を通して各行事などに顔を出してもらい、写真を撮り貯めて行くことになります。
個人の顔写真はもちろん、委員会やクラブ活動の写真、職員の写真などは6学年の主任が日程調整を行い進めます。
運動会や学習発表会、修学旅行など、大きな行事は写真屋さんが撮影してくれますが、日々の写真や、小さな行事などは6学年の先生方で写真を蓄積することが必要になりますね。
ですが、ここまでは6年生の担任の負担はそれほど大きくはありません。
問題はこの先です。
アルバムは6年生の1年間の写真が中心にはなりますが、入学してからこれまでの写真が載るページがあります。
この写真を探さなければなりません。これは担任の仕事になるのです。
学校の過去のデータベースから、写真を見つけ出します。中にはフォルダ整理がちゃんとされていない学年の時があったりして、なかなか大変なのです。
先程業者の選定の際に申し上げたように、過去の写真を業者が持っている場合があります。その場合はデータを一度貰い、そこから選んでいくことになります。
いずれにしても、莫大な写真から、限られた枚数を選ばなければなりません。
学年のバランス、行事のバランスなども考慮します。
この作業がまずは第一関門です。
撮った写真をアルバムの形にするのは業者が行うので、これには全く手間はかかりません。
形となったアルバムの初稿が業者から届きます。
この時点でもう既に形はほぼ出来上がりです。
ですが…
ここからが、最初に触れたネットニュースになっていた部分ですね。
アルバムの中に子供が何回映っているのか、大きく映っている子とそうでない子とのバランスはどうかなどのチェックを行うのです。
児童名簿を片手に、映っている回数や、アップになっている回数などをカウントしていきます。
子供の中には写真に映りたがる子とそうでない子がいます。写真屋さんが選ぶ写真は、当然いい写真、映える写真が多いですから、良い表情をする子の写真が多く載っているのですが、そういう子って決まっているんですよね。
映っていない子は本当に映っていないんです。
そりゃそうです。
映ろうとしないのですから。
とはいえ、そのままというわけにはいきません。何か見学している時の写真にたまたま映っていいたり、大勢写っている写真に入っているものがないか探したりして、数合わせをするのです。
これが本当に大変なのです。
ですから、
「良い表情しているからこの写真も入れたいなあ」
と思う写真を、実際は何枚も削除して、
「あんまりいい写真ではないけれど、○○さんが映っているのこれしかないから入れるか」
という理由で、アルバムに掲載される写真があるんですよね。
私自身は経験したことはありませんが、やはり「映っている枚数が少ない」と、保護者からクレームが来ることはあるようです。何人かの先生方が話しているのを聞いたことがあります。
まあ、私もそうですが、担任は基本的に、「せっかくの卒業アルバム、みんな同じように載せてあげたい」という思いは持っていると思います。
ですから今述べたように、時間がかかっても、苦労しながらアルバムの校正を行っていくのです。
今回は卒業アルバム作りの内側ということで話をしました。ではまた。