節分が終わりましたね。
ということで、こんな時期だから思いついた話題で進めたいと思います。
学校のリスク管理にはさまざまなものがありますが、今回は昔はあったのに無くなった行事などについて触れていきながら、リスクの管理について考えてみたいと思います。
みなさんは小さい頃を思い出してみて(世代はさまざまかと思いますが)、保育園や学校でどんな行事があったでしょうか?
私は小学校の教員なので、小学校を例に取ってみると、自分が子供だった頃、また教員として仕事に就いた当初はあったのに、今は無くなってしまった行事がたくさんあります。
こんなことを書くと、そりゃあ学校が忙しすぎると言われている昨今だから、行事の精選は当たり前でしょう、なんてことを言われそうですが、理由はそれだけではないのです。
では、どんな行事か具体的に挙げてみますね。無くなった理由をちょっと考えてみてください。
豆まき集会。
餅つき大会。
そば打ち体験学習。
理由がわかりますか?
勘の良い方ならすぐわかるでしょう。そう、食物アレルギーが理由なのです。
ちょっと加えると、昔は学級のお友達が旅行に行った時などにお土産を買ってきて、クラスのみんなに配る、なんてこともありませんでしたか?
そんなことも今は許可している学校は少ないのではないかと思います。(ごくごく小規模の学校は別かもしれません)
そば、小麦、ナッツ類など、命に関わるアレルギーを持っている子もいたりするので、先ほどあげたような行事は、私の地域では今はほとんど見かけなくなりました。
昔は保護者がたくさん集まって、わいわいやったものなのですがね。
学校給食も、アレルギーに対応するために代替食を用意したり、そもそも献立の作り方をリスクの少ないものに工夫したりと、なかなか苦心しているようです。
学年の行事などで、おやつを配るイベント的なものを行うとなれば、事前にどんなお菓子を購入するか業者と相談し、お菓子のリストまたは実物を持ってきてもらい、それを保護者に確認してもらい…など準備が大変なのです。
ですから、そんな行事やイベントは徐々に淘汰され、現在に至る状況になっています。難しい時代になりました。
おそらく幼稚園や保育園は、もっと苦労していることでしょう。自分も息子から、豆まきは豆の代わりにボールを投げていると聞いたことがあります。
アレルギーを持つお子さんと保護者のことを考えると、そのアレルギーを無視して実施するのは配慮に欠けると言えるでしょう。
ただ、これで地域の方との繋がりが切れてしまう例も少なからず見てきた私は、何だか寂しい気持ちになります。
これも時代なのでしょうね。
リスクという面では、このような食物アレルギーに関することもそうですが、ドッジボールをやるとかやらないとかで、少しニュースになったこともありました。
現場にいるとわかりますが、ドッジボールに使用するボールは昔は硬めのものを使っていましたが、今はやる回数が減ったことはもちろん、使用するボールも柔らかいものを使うようになりました。
また、休み時間にボールの使用を認めない学校も増えましたね。
いろいろなリスクを避けていることには違いありません。
このように、リスクを避けることにより、窮屈な学校生活になっていくのは今のところは仕方のないことなのかもしれません。
ですが、そこから新しいアイデアや発見が生まれることも確かだと思うのです。
「何とかしたい。」
そんな思いが身を結び、形になっていくイメージをを抱きながら、我々教員は日々模索しているのです。