教員という仕事は大変ですが、やってて良かったなと思うことも多いです。
それを感じる代表的な行事が、卒業式ですね。
自分は高学年を担任することが多かったので、卒業担任となることが多いのですが、卒業式はやはり特別な行事です。
節目に立ち会えるというのは、とても幸せなことですね。
こういう節目の時って、子供が急に成長する瞬間があるのです。
まあ、それまでの積み重ねがあればこそなのですが、生徒指導や学習指導で自分に苦労ばっかりかけてきた子どもたちが、急にしっかりしてくるんですよ。
教師のやろうとすることを前もってやっておいたり、子供たちで相談してお世話になった先生方にお礼する準備をし始めたり、大人びてくるんですよね。
区切りがあることで、意識できるのでしょうね。
『自分だけで生きているのではない。多くの人に支えられて生きている』
『人は出会いと別れを繰り返して生きていく』
これを実感する意味でも、卒業というのは大きな行事だなと思います。
さて、このように卒業という時期を迎え、特別な思いになっているわけですが、これに関連して少し述べたいなと思います。
教員というのは、他の業種には無い特別な仕事でもあるなと感じることも多いです。
ということで、何点か挙げてみたいと思います。
①季節を感じることができるということ
季節に関する行事は精選され減ってきていますが、それでも入学卒業、運動会、学習発表会などの行事、また普段の学習でも季節のことを取り上げた学習内容も多いですから、季節を感じる瞬間は多いと思います。
また、基本的に学校は広い敷地を持っていますから、植栽など環境的にもそれを感じることができますね。学校にはだいたい桜の木がありますし、紅葉樹がたくさん植えてありますよね。
②教員も子供も基本的には人が入れ替わり、多くの人との出会いと別れがあるということ
子供も進級・卒業しますし、教員も定期人事異動があります。多くの子供や教員との出会いと別れは、たくさんの経験を積むことができることを意味します。同じ人などいませんからね。自分自身もこの繰り返しの中で成長してきたと思います。
また、数年、数十年経ってから、当時の教え子が何らかの形で嬉しいお知らせを届けてくれることもあります。成人式のクラス会や結婚式への招待、甲子園出場、教員として同僚に…などなど他にもたくさんありますが、嬉しい知らせが時々届きます。
③感情が揺さぶられることが多いということ
良い面でも悪い面でもです。学習発表会や卒業式で感動して涙することもありますが、思い通り行かないことに悔し涙を流すこともあるでしょう。子どもたちの成果にガッツポーズすることもあれば、何度言っても同じ過ちを繰り返す子に怒りに震えることもあるでしょう。
しかし何より、子供の成長を感じられた瞬間というのは、この仕事やっててよかったなと思う瞬間です。
教員という職業の現状は、大変なことはもちろん多いですし、変えていかなけれなならない点は確かに多いです。しかし、魅力溢れる仕事であることには違いないと思います。
教員志望の若者が減り、人材が不足することは非常にまずい事態であると思います。
働き方改革を進め待遇を改善した上で、教員の仕事の魅力を伝え、その魅力を十分に感じられるようになっていくことを期待したいですね。