小学校ではもうすぐ卒業式を迎えます。
ここ数年いろいろな面で制限されてきた中で行われてきた卒業式も、今年度はいつもの形で行えそうです。
震災から12年。
ここ数年のコロナ禍。
何事もなく卒業の日を迎えてほしいと思います。
さて、最近おかしいなと思ったことがあり、今回はそれについてお話したいと思います。
6年生の児童の話です。
保護者は母親ではあるものの、ネグレクト状態で、児童の世話は祖父が行なっていました。
母とは滅多に連絡がつかず、学校であったことなどは、ほとんど全て祖父に連絡し、諸費などの支払いも祖父がしていました。
ただ、あくまで保護者は母だったこともあり、就学援助費(経済的な理由により就学が困難な子に自治体が援助する制度)をもらう際の手続きは母の名目でしていました(母の名前を祖父が書いて提出していました)。
その後、母は暴力事件を起こし、逮捕され、執行猶予処分を受けます。
児童自身も家庭環境の悪さから素行不良となり、祖父の世話や学校側の指導も虚しく、結果的には児童相談所が一時保護をし、そのまま施設に行くことになりました。
在籍は今の学校のまま卒業し、新年度から施設のある新しい中学校に入学することになります。
そんな年度末のある日、学校に自治体から就学援助費のお知らせが届いたのです。
進学するにあたり、制服購入などの準備金として約5万円ほど振り込まれるとのことなのですが…
問題はこのお金が母の口座に振り込まれる、ということなのです。
施設で必要な費用等は祖父が負担することになっていて、当然今後も祖父がさまざまな面で負担をしていくことになるのですが…
なんか納得いきませんよね。
実は児童相談所が母親と会い、施設に入るにあたり当該児童の養育を放棄する書面に署名捺印しているのです。
育児を放棄した母にお金が入り、祖父には1円も入りません。
母が返納したり、祖父に送ったりする可能性はほぼ無いでしょう。
何なんでしょうね。
こういうお金も財源は税金です。
養育を放棄する書面にサインしたときに、こういった就学に関わる書類と紐付いていれば、今回のようなことにはならなかったわけですが…
学校として困ることは全く無いのですが、一応問い合わせはしました。
やはりどうしようもありませんでした。
私も初めてこのようなケースがあることを知りましたし、どうにかならないのかなと思いましたね。
今回のケースは珍しいですが、自治体の補助が子供に行かずに親が使うという問題は昔からあります。
給食費などの未納問題なんかもそうですよね。
手続きが煩雑になる問題もありますが、給食費などは直接納付先に自治体が支払いをすれば良いわけです。そんな仕組みづくりはできないものでしょうか。
子供のための補助がきちんと子供のために使われるよう、制度や仕組みを整えていくことの必要性を強く感じたのでした。