保護者対応に悩まされている教員は本当に多いです。
私の勤務する学校にも、大体クラスに一人は問題のある保護者がいるといった感じです。
具体的には、
・対応一つで激昂する
・時間を考えない電話が多い、そして長い
・自分の子供の話をだけを信じ、対応に納得しない
・細かな要求が多い
これらはいわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる部類に属するといえますが、これ以外にも、
・給食費等の費用の滞納が続く
・ネグレクトに近い状態で、子供が遅刻・欠席を繰り返す
などもあります。
保護者対応に疲弊している教員は非常に多いのですが、奈良県の天理市で専用の窓口ができたという記事を目にしました。
保護者からのあまりに理不尽な要求や苦情に教育現場が悩まされているとして、奈良県天理市は来年度から、市立の教育機関に対する意見などを一手に引き受ける窓口「子ども応援・相談センター」(仮称)を運営することを決めた。教員や保育士らを保護者対応から完全に切り離し、子どもらへの指導に専念できる環境を整える。市は「ここまで徹底した取り組みは全国でも例がない」と説明している。
市や市教委によると、窓口は市内の市教育総合センター内に設ける。市立の小中学校と幼稚園、保育所、こども園に寄せられた保護者からの意見や苦情などはすべて窓口に回してもらい、退職校長らの専門スタッフが対応に当たる。
組織内には心理士や発達相談員らによる「心理サポートチーム」と、市教委の指導主事らによる「教育サポートチーム」を設置。市の福祉部門や顧問弁護士も協力し、保護者や教員らへの精神的な支援も手がける。家庭内暴力やヤングケアラーなどの問題にも対処する。
(yahooニュース・毎日新聞より引用)
私もこのような施設を作ることは賛成で、第三者が入ることで、理不尽な要求に対する抑止力につながるとは思っています。
ただ、一見すると教員の負担が減りそうでよいなとは思ったのですが、間に専門のスタッフが入ることで、保護者側と学校側双方の聞き取りを行って整合性を取ったり、話し合いを進めたりすることにかえって煩わしさが出ないかという心配もしてしまいます。
ただ、方向性としてはとてもよい取り組みだと思います。
結局、はっきり言いたいことを言えない状況が学校側にはあり、それができる機関が求められていると言えるのではないでしょうか。
「その発言は教員の人権を侵害しています」
「そこまでの要求は受け入れられません」
「あなたのこんな考えが間違っています」
今現在、学校で保護者とのトラブルが起こった場合には、保護者側の納得感を重視して、教員側は我慢する、といった状況がほとんどでしょう。
教員がよかれと思ってやったことが原因でこんなことなってしまうと、やはり教員は疲れ、心が蝕まれていきます。
私は「納得感」を大切にしています。
子供に指導をするときも、保護者に対しても「納得」してもらうことが、次につながると思っています。
であれば、教員に対しても「納得」できるような支援をすべきだとも考えています。
子供、保護者、教員、それぞれの心が健康な状態で学校生活が送れるよう支援できる体制ができればいいなと思っています。