学校が抱える問題を、学校だけが抱えるのではなく、外に開いて相談していくことが必要なのではないかと私は考えています。
最近の傾向として、保護者は学校が決めたことに対して不満を持つことが多いなあと感じます。
それは学校側に責任でもあるのですが、簡単にいうと信用されていないということでしょうか。
ですから、決める側の立場に、保護者や子供自身がなっていくべきではないかというのが今回の私の考えになります。
一つ例を挙げて考えてみたいと思います。
先日、昼休みに怪我をした児童の保護者が理不尽な暴言を吐いたという事案を紹介しました。
この児童の場合、
「上がってはいけないはずのステージに上がってしまい、落ちて怪我をした」のですが、問題は、ルールは知っていたのに守らなかったということです。
「守らなくてもいい」という意識が児童の根底にあったことが問題なのです。
そういった意識を変えていく必要があるのです。
私は、
「学校は悩んでいる。昼休みに遊びをルールを決めているものの、守れない児童がおり、その結果怪我をする児童も出ている。できれば遊ばせたいが、安全を担保する以上昼休みに体育館や校庭を開放することをやめようかと思っている」
と保護者に投げかけてみれば良いと思っています。
そもそも、学校は学習指導要領の内容をこなせば成立するもので、長時間の昼休みを取らなければならないといった決まりはありません。ですから、「安全に配慮するため、トイレ等必要な要件以外は自分の座席から離席させません」でも極端な話良いわけです。
でも、です。子供は人との関わりから学んでいくことがたくさんあります。小さな怪我をしながら、こんなことをすれば怪我をするんだと学んでいくこともあります。失敗から学んでいくこともあるのです。だからこそ、子供たち自身が自分で考えて行動することが必要なのではないかと、保護者に考えてもらうのです。
PTAの役員会などで議論してもらい、保護者としての方向性をしっかり出してもらえば良いと思います。
そして、同じことを児童にも伝えれば良いと考えています。
児童会を動かすのです。
子供たち自身で問題を考え、対策も考え、教員は頑張ってやろうとしている児童の手助けをするのです。
我々教員はダメなことに目が行きがちで、「そんなことすると危ないだろ」と、いけないことをした児童に注意してしまいます。
そうではなく、「あなたたちが考えて決めたことだから、先生たちはそれを実現させるために精一杯サポートするからね」というスタンスで、きちんとやろうとしている子供の立場でその見方をしてやるのです。
PTAにも話が通っていれば、「お家の人も同じ考えだからね。先生たちは校庭で遊んでほしいけど、ルール守れなければ危ないから、お家の人たちは遊ばせなくていいって決めてたよ」などという話もできるのかなと思います。
実際一回くらいグラウンド使用禁止期間みたいなのがあれば、もっと効果覿面でしょうけどね。
自分たちの問題を、自分のこととして考えれなければ、いつまで経っても子どもたちは変わりません。注意されると止めるけれど、なぜ注意されるかまでは考えないのです。それが結果的にどんなことにつながるかまでなんて到底考えませんよね。
それを考えることができるように工夫していくことこそが、学校ができる最大の支援なのかなと思います。
今は学校でのことを学校だけで管理したり解決したりすることは到底不可能です。逆転の発想で外に広げていき、どんどん情報が流れるようにすることで、学校・家庭・地域でつくる共同体ができてくるのではないかなあと思っています。