[学校の職員室では、先生たちはどんな会話をしているのでしょう。
現場の教員であればすぐに想像がつくでしょうが、そうでない人はどんなイメージを抱いているのでしょうかね。
今回はそんな話をしたいと思います。
職員室に先生方がいるのは、朝の時間、昼休みなどの休み時間、あとは下校後の放課後です。
朝は打ち合わせ事項が多いのでそれで会話は終わってしまいます。
休み時間は先生方は児童の見守りがありますから、ほとんど戻ってきません。
一番集まるのは、やはり児童の下校後、放課後ですね。
放課後、先生方はどんな会話をしているのでしょう。
学年の先生方が集まると、出てしまうのはやはり「子供の愚痴」です。
「○○さんは何度も言っているのに、いつまで経っても提出しないんだよな」
「A君とB君、今日も喧嘩したから家に連絡するかー」
とまあ、こんな感じが多いです。お互いに出し合うことでガス抜きをして、明日からまた頑張るか、という雰囲気ですけどね。
自分のお子さんがいらっしゃる方は、自分の子供に対して、
「何でできないの」
「いい加減に言うことを聞きなさい」
などと言ってしまうことはありませんか?
日頃子どもたちと接していると、それと同じような気持ちになってしまいがちなんですよね。
ところが、行事が終わった後というのは、比較的和やかな感じで会話が進むのです。
なぜでしょうか。
普段はあまり感じられない成長を感じるという面が大きいのかと思います。
毎日付き合っていると、教員には「こうなってほしい」という思いばかりが膨らんで、なかなかそう育ってくれない現状に苛立ちがちです。
ですから、会話の中に愚痴のようなものがたくさん入ってくるのですが、行事は短期決戦ですし、子どもたちも頑張ります。ある程度形になるものが見えてくるということや、短いスパンで成長を感じることができるので、ある意味、褒めやすい状況ができるんですよね。
先日、私の学校ではスキー教室がありましたが、普段は子供の愚痴の多い学年が、
「○○君上手になったよね!」
「うちの班は素直でとてもやりやすかった」
「結構ちゃんとマナー守ってやってたよね」
と明るく話していました。
学校行事はどちらかというと、子供と保護者のために存在している部分が大きいとは思いますが、こういう場面をみると、意外に先生方にとっても大事なんじゃないかな、と思います。
いろいろな場面があることで、児童理解もできますし、肯定的に子どもたちをみることができるのです。
とはいえ、働き方改革を進めていく上で、行事の精選は必ず必要になってきます。
スキー教室の話をしましたが、先日は保護者の負担の観点などから、今は無くなっている学校もあるという話をしました。
これからはもっと行事を減らして、負担を軽くしていかなければならないのは間違いありません。
ですが、教員のやりがいというものを奪ってしまわないように、何を減らして何を残すのか、多様な観点から考えていきたいものだなあ、とも思うのです。