小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

「新たな教師の学びの姿」とは

普段はあまり上(国とか)からの文書などはちゃんと見ない私なのですが、先日見た中央教育審議会の文書の内容に興味深いものがありましたので、今回はそれについて述べたいと思います。

 

 

中央教育審議会の『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方特別部会が、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方(中間まとめ)」を発表し、理想的な教師及び教職員集団の姿を実現する方向性を示した、というものです。

 

そこで示された審議のまとめの中で、「新たな教師の学びの姿」として4つ挙げたのですが、これがなかなか面白いのです。

 

その4つというのは、

 

①変化を前向きに受け止め、探究心を持ちつつ自律的に学ぶという「主体的な姿勢」

 

②求められる知識技能が変わっていくことを意識した「継続的な学び」

 

③新たな領域の専門性を身に付けるなど強みを伸ばすための、一人一人の教師の個性に即し「個別最適な学び」

 

④他者との対話や振り返りの機会を確保した「協働的な学び」

 

の4つというわけです。

 

 

ちょっとめんどくさい文言が並んではいますが、私的には「これは結構、なかなか攻めてるな」と感じたのです。

 

 

これまで良くも悪くも、私達教員は「日本の義務教育とはこうあるべきスタンダード」みたいなものに縛られて、日常の授業をしてきたのではないでしょうか。

 

まあ、それがこれまではどんな児童生徒に対しても最低限の学力を保障することに繋がり、ボトムアップに繋がってきたのですが、この「新たな教師の学びの姿」はそれが変わってきていますよ、というメッセージに思えるのです。

 

 

今までのやり方にとらわれることなく、自分なりのやり方を見つけてください、学習のねらいもこれまでとは変わっていきますよ、ということを言っていますからね。

 

そして、子供に主体性を求めておきながら、教師はこれまでのやり方を踏襲する、ということではなく、教員自身も主体的に探求しましょうと言っているのです。

 

 

ここ数年で学校教育の役割に対する認識はかなり変わったように思います。幸か不幸かコロナ禍によって、みんなが同じように学習を進めるということはできなくなってきましたし、そもそも学校に来なくても別に困らないんじゃないか、という考えまで出てきている昨今です。

 

私は、今回の提言は、

 

「学校で学ぶべきことは、1+1=2という足し算の答えの求め方ではないですよ、そんなことはスマホなど持っているツールがやってくれますから。これからは1+1=2の計算を使うのはどんな場面かとか、足し算はなぜ必要かとか、そんなことを考える学習をしましょう。これからは求められるものが変わっていきます、だから対応していきましょう、我々教師も。」

 

と言っているのだと解釈しています(少し飛躍していますがね)。

 

 

さらにいうと、教員一人一人の特性をもっと活かしていきましょう、ということも言っています。オールラウンダーが求められる小学校が今すぐ変わるとは思えませんが、この方向に進んでいくとなれば、少しずつ変化が生まれるかもしれません。

 

 

 

いずれにしても、これまでのような教師像ではなく、新しい姿を必要としていることは間違いありません。

 

学校自体のシステム的なものを含め、化石のような教育現場が、新たな時代へ進みつつあることは、未来を少し明るくしてくれるなあと感じているのです。