小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

家庭環境が要因で起きる問題への対応

家庭の教育が崩壊している児童や保護者に対して、対応に苦慮することがよくあります。教員の仕事は線引きが難しいという話は以前もしていますが、子どものよりよい成長のために、というワードが一人歩きして、制限のない仕事になりがちなのが今の教員の現状なのです。そんな話をしたいと思います。

 

ある高学年の児童。母親と祖父との3人暮らしだが、母は数年前から育児放棄状態。祖父が児童の面倒を見てきていたが、管理が行き届かない状態になり、学校から帰らずに遊ぶことを繰り返す、大金を持ち歩いて散財する、家出をするなどさまざまな事案を起こす。その度に学校としても指導するが、なかなか変わらない状態。

 

警察の世話にも何度もなり、児童相談所も動いているのですが、特に何も変わらず、児童の精神状態や行動はますますおかしくなるばかりです。祖父は育てることに自信をなくし、施設にやりたいとも言っている状態です。このようなケースに、学校としてどう対応したらよいのでしょうか。

 

今回のケースで難しいのは、おじいちゃんが精神的にも参っていて、孫のためにこれから何かを頑張るということが期待できないという点です。結局は児童本人の意識が変わるしか解決方法は無いのですが、今現在は何か事が発覚してから事情を聞いて指導するという、対処的な形しか取れていません。

 

指導をされても、心が荒んだ状態なので、「そんなのわかってる」「正論だとそうだけどさ」「はいはい、これから気をつけますって言えばいいんでしょ」的な言葉や態度をします。ですから、本人の意識が変わっているかといえば変わっていないのです。

 

また、このような児童は事を繰り返します。その度に学級担任が対応に追われるのです。指導は意味なく、時間は取られる。このような状態だと教員も疲弊してしまいます。

 

やはりこのような場合、いろいろな職員が関わっていくことが必要でしょう。生徒指導主任、教務主任、養護教諭、時には教頭、校長も…。タイミングとしては、事が起こっていない時に話すことが大切だと思います。本人の本当の心の声を、このうちの誰がが引き出し、今後の自分の生活について考えさせなければならないのです。それができなければ、きっと社会からドロップアウトしていってしまう気がします。

 

教員もそれぞれ個性を持っています。方向性は一緒でもアプローチの仕方などは人それぞれなので、今回の児童に何かしら影響を与える場面が出てくればいいなあと思います。

 

先述しましたが、今回の児童のようなケースの場合、学級担任をできるだけ自分の学級に専念させることも重要です。一人への対応で時間を取られると、その弊害で本来起こらなかった別のトラブルが起こるかもしれないからです。

 

とまあ、いろいろ書いてきましたが、ぶっちゃけなんで学校で面倒見なくちゃならないんだ、という話には違いありません。家庭でのトラブルが要因ですからね。どこまで学校は関与するのか線引きしたいですが、学校側で決めることは難しい、というかできません。保護者の信頼を損ねますからね。だからガイドラインのようなものが欲しいのです。

 

画一的な指導ができにくくなっている中で、また社会の変化の影響などで家庭環境が多様化する中で、私たちはそこから湧いて出てくるトラブルやクレームに、その都度対処していくしかないのでしょうか…。