小学校教員kosukedadの日記

思ったことをわりとはっきり書いていきます。毒舌かもです。

保護者対応の難しさ 自分の子を信じるのはいいんだけれど

学校は子どもたちがたくさんの人数で過ごす場所。その分トラブルももちろん多く起こります。私たち教員は、そのトラブルの中で、どうしたら子どもたちの成長されることができるか、ということと、子どもの安全の担保という両面を見ていかなくてはなりません。それに加えて大きなストレスになるのが、保護者への説明です。ともすれば子どもより話が通じない人がいるからです。

 

小学1年生の男児B君。ある朝学校に行きたくないといっていたため親が聞いたところ、同じクラスのA君に休み時間に叩かれたりするということだった。

 

欠席に関しては、スマホ入力による連絡のため、保護者と直接お話ししたわけではないので、この連絡を受けて学級担任は保護者に連絡します。午後、学校に来てもらって保護者とお話しすることになりました。

 

その間に学級担任は事実確認をします。そうすると、確かにその子に対して悪口を言った事は事実なのですが、そこに至るまでの経緯もはっきりしてきます。休んだB君もA君に対してちょっかいを出したりばかにする発言をしたりしているということがわかってきます。

 

面談の時間になりました。担任は事実を伝え、A君に謝罪の意思があること、目の届く範囲で注意して見ていくことなどを伝えました。あえてB君のやっていることについてはあまり深く触れませんでした。ここで触れてしまうとまた厄介なことになるからです。B君の保護者からは、自分の息子は気が弱いからしっかり見てほしい、今までもこのようなことがあったということなので、そのような時はすぐに教えてほしい、などという話がありました。

 

少し極端な言い方をすると、休み時間に校庭で遊んでいて起こるようなトラブルも未然に防いでほしい、ちょっとした喧嘩でもすぐに電話連絡してほしい、ということです。いかがでしょう。30人いる学級でこの対応を全員に行ったら。しかもこの面談はクラスの子どもたちはまだ授業を行なっている時間帯なのです。

 

まず自分の子ありき。これはわかるのですが、担任の負担、学級の子の学習などに考えが及んでいないということがわかります。こういう保護者は基本的に自分の子どもの話を全面的に信じます。子どもも知恵がついていますから、自分に都合の悪いことは親にはなかなか言わないものですが、そういう考えにはなかなか至らないのです。

 

後日談になりますが、B君はその後今度は加害側として担任に指導され、保護者に連絡をすることになります。その時保護者が言った言葉は「まだ低学年の子どもですから…」だそうです。

 

学校は保護者と揉めるのを嫌います。結果的には正しい方向でかつ穏便に済ますためにさまざまな手を打って解決するのですが、担任には大きな負担になります。幾度にも渡る保護者への電話、授業を潰しての事実確認などです。穏便に済ませることを目的とすると、結果的には言ったもん勝ちのような状態になり、この保護者は厄介だというポートフォリオは残りますが、保護者本人を指導するまではなかなかいきません。教師側も思っていること、言いたいことを言いたいと思いながらも、ほとんどの教員はぐっと堪えます。理不尽な要求をされても、それに対抗する教員は少ないでしょう。自分が全て正しいとは思ってはいませんが、保護者に間違ってる部分は間違っていると言える立場の人は作れないのでしょうか。法的な部分も含めて、しっかりと中立的にみる立場の人がやはり欲しいなと思います。

 

そんな保護者たちに対しても、多くの低学年の先生方は丁寧に対応します。高学年を持つことが多かった自分は少しの怒りと虚しさを感じながらも、この対応が親を育てることにきっと繋がるんだなあと思い、先生方を改めて尊敬するのです。